42歳中村俊輔もカズに負けず!魔法の左足から「背中ゴール」アシスト
横浜FCの中村俊輔。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
まずジーコのJ1最年長ゴール更新し、その先にある横浜FCの未来を切り開きたい。
[J1 18節] 川崎 3-2 横浜FC /2020年9月23日/等々力陸上競技場
横浜FC戦の元日本代表MF中村俊輔が川崎フロンターレ戦、コーナーキックから反撃の狼煙をあげるDF小林友希のゴールをアシストした。Jリーグ最年長53歳のFW三浦知良のJ1歴代最年長出場がクローズアップされた一戦だが、42歳のレフティも7月26日の浦和レッズ戦(●0-2)以来の先発出場を果たし、健在ぶりを示した。
中村は今季8試合目、先発は三度目だった。0-2とリードを広げられた直後の48分、左コーナーキックのチャンスを掴む。迷わずボールをセットしたレフティは、大きく弧を描いてゴール前でスッと落ちる、GKチョン・ソンリョンが出るべきか対処に迷うゴールを供給。すると競り合っていた選手たちの壁を越えてきたところ、詰めていた小林の背中に当たって、ボールはゴールネットを揺らしたのだ。首位チームにすぐ1点差に迫り、チーム全体に“いける”という雰囲気を作り出した。
決して、ただでは終わらない。42歳のレフティの意地のキックであり、その思いは共有していた小林のゴールという形で結実した。
三浦、中村、松井大輔というベテラントリオがこの首位との対決で先発に抜擢された。横浜FCの下平隆宏監督はその理由と効果を次のように語っていた。
「過密日程により中2日で3ゲームあるなか、同じメンバーで戦うのはコンディション的にキツく、ケガ人も出てきていて、少しターンオーバー的なことを考え、このメンバー選考になったところは確かにあります。そのなかでカズさん(三浦知良)、(中村)俊輔、(松井)大輔と一緒にピッチに立ってプレーして、他の選手が影響を受けた部分はありました。プロフェッショナルな選手たちとピッチに立ち、チームとしても、個人としても、成長できることは十分あったはずです。そういった選手たちから良い影響を受けて、良いゲームができて、全体的にもいろんな選手が出て、総合力でありチームの底上げにはつながったと思っています」
ちなみにJ1の最年長ゴール記録は、1994年に鹿島アントラーズのジーコ(現・鹿島テクニカルディレクター)が記録した41歳3か月12日だ。その記録更新へJ最年長カズに期待が懸かるところだが、42歳の中村にはむしろまずこの記録を塗り替えるのはある意味ノルマであり、その先、横浜FCの未来も切り開かれるはずだ。
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[文:サカノワ編集グループ]