Jリーグ、なぜ危険行為が増える?名古屋MFガブリエル・シャビエルが「乱暴な行為」で出場停止
名古屋のガブリエル・シャビエル(2019年3月撮影)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
もつれた体を離そうとした際、相手の腹部に足を入れる。
Jリーグは11月5日、規律委員会でJ1・26節のサガン鳥栖対名古屋グランパス戦で、名古屋のMFガブリエル・シャビエルがボールと関係のないところで相手選手の腹部を蹴って一発レッドカードで退場処分を受けたことについて、これは「乱暴な行為」にあたり、懲罰基準と照らし合わせて1試合の出場停止処分とすると決めた。追加処分はなし。11月11日に行われる7節のアウェーでのサンフレッチェ広島戦が対象になる。
26節の鳥栖対名古屋戦の84分、ガブリエル・シャビエルが大畑歩夢ともつれあって体を離そうとした際、ホールドされていた左足を一度相手の腹部に当て、この行為にレッドカードが出た。
Jリーグは「 (公財)日本サッカー協会 競技および競技会における懲罰基準に照らして審議した結果、同選手の相手競技者に絡まった左足を引き離す際に、ボールとは関係のないところで腹部を蹴った行為は、『乱暴な行為』に該当すると判断、1試合の出場停止処分とする」と処分理由を説明している。
過去には年に1、2件ほど発生する「乱暴な行為」の処分だが、今年はすでに北海道コンサドーレ札幌の荒野拓馬がべガルタ仙台戦で相手を蹴り、FC東京のアルトゥール・シルバが横浜F・マリノス戦で主審の見えないところで相手を殴り、同処分を受けている。またFC東京のレアンドロも、主審の見えないところで相手を殴った行為が「極めて悪質な行為」とされ、3試合の出場停止と罰金の処分を受けている。
実際今季はアフターチャージ気味の危険なファウルが目立つ。Jリーグが熱く激しいプレーを推奨しているものの、それが汚いプレーになっていないかどうか検証は必要だ。少なからずJリーグは、世界の中でも、クリーンなリーグというイメージを保ってきた。
また、新型コロナウイルスによる影響で、選手たちは普段からあらゆる制限がかかるなかで生活している。声援のないまだ日常とは言えない緊張感のあるスタジアムで、心理的な作用がピッチ上にどのような影響をもたらしているのかも気になるところだ。
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[文:サカノワ編集グループ]