復活の小野伸二が語った、J2琉球今季あと10試合「1日1日のことだけを考えて」
琉球の小野伸二(2020年2月撮影)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
右膝の靱帯損傷から約3か月半ぶりにピッチに立ち、山口に1-0。ホーム3連勝に貢献!
[J2 32節] 琉球 1-0 山口/2020年11月8日/タピック県総ひやごんスタジアム
J2リーグFC琉球の元日本代表MF小野伸二がホームでのレノファ山口戦の90+1分、右膝の内側側副靱帯損傷から約3か月半ぶりに復活を果たして勝利に貢献した。
7月25日の7節・アウェーでの愛媛戦(●1-4)、小野は今季初めて先発しながらも開始約2分で負傷。立ち上がれず7分で交代を余儀なくされた。診断の結果は右膝内側側副靱帯損傷。そこからリハビリを続け、この日、ついにベンチ入りを果たすとともに、ラスト4分間、ホームのピッチに立った。
「久々の試合だったので、ゲーム感覚などどうなのかを探りながらでしたが、短い時間だったので、そもそもボールに触れるかどうかも分からないぐらいでした。1-0というなかで、いい形で入れました」
投入直後、最前線に入った小野は相手バックパスのミスを狙いボールに先に触る。カウンターが発動されそうになったところ、チャージしてきたヘニキにイエローカードが出された。樋口靖洋監督が「今必要なプレーをあの一瞬のワンプレーで、チーム全体に行き渡らせてくれました。彼本来の技術を見せてくれるプレーとはまた異なりますが、ゲームを分かっているな、というところを感じさせてくれました」と称賛したシーンでもあった。
小野は次のように振り返る。
「みんな体力も消耗していたので、守備の部分で少しでも貢献できればと思っていた流れのなか、ボールが出てくるだろうと予測したことが、あの形になり(奪いに来たヘニキがファウルでイエローカードを受ける)、キープできたかもしれませんが、マイボールにする時間も作れると思い、(相手のチャージが)足にはかかっていたのでファウルを受けました」
そしてJ2は残り10試合となった。18位の琉球は10勝に到達、勝点36でFC町田ゼルビア、ジェフユナイテッド市原・千葉、松本山雅FCと並ぶ。もう一つ上のグループに行くチャンスでもある。
「ホーム、アウェーを問わず、なるべく勝点を積み重ねていき、12月はほぼ全試合がホームなので、そこは必ず全勝できるようにと思っています。これから11月はアウェー2連戦、しっかりみんなで勝点3を取れるように準備して、ホームの連勝も続けて、喜びをみんなで分かち合いたいです」
そのなかで小野自身の役割についても語る。
「僕自身も体調をしっかり整え、いつでもいける準備をしておきます。チームの若い選手が成長してきているので、自分の役割をしっかりこなして、1日1日のことだけを考えて取り組んでいきたいです」
次節は11月11日、アウェーで2位のアビスパ福岡と対戦する。いい流れで来ているなか、琉球の力をJ1昇格圏にいるチームに、思いきりぶつける機会になる。
連戦かつ遠征でもあるだけに小野のメンバー入りはあるかは読めないところ。いずれにせよ、このタイミングでの永遠の天才の復活は、チームにとって確実に追い風になるはずだ。小野の周りには笑顔が溢れていた。
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[文:サカノワ編集グループ]