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日本代表とACL選手が14日間の待期期間も練習や試合参加が可能に「オリンピックに向けた大きな一歩」と田嶋幸三会長

国立競技場。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

ただし、帰国後14日間、練習場と宿泊場所(自宅など)の往復のみ限定。 

 日本サッカー協会(JFA)とJリーグは12月4日、日本代表(SAMURAI BLUE)とAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場クラブの選手・スタッフについて、日本帰国後14日間の待機期間中の練習や試合などへの参加を可能とする措置が、スポーツ庁から承認されたと発表した。コロナ禍での「アスリート用東京オリパラ準備トラック(通称アスリートトラック)」が、サッカーのトップアスリートにも適用されることになった。

 JFAとJリーグは、アスリートトラックの日本人対象者が、JOC強化指定選手や該当選手の関係者に限られているため、スポーツ庁と調整を重ねてきた。

 その結果、日本代表の活動はJOC強化指定選手の一部が日本代表を兼ねていることから東京オリンピックに向けた強化活動と見なされた。また、ACL出場クラブに一部強化指定選手が所属していることから、同大会への出場が東京オリンピックに向けた強化活動の一環と見なされた。そういった事情を受けて、JOC強化指定選手に加え、該当選手が所属するクラブのチームメイトも含め、本トラックの適用対象として了解された。

 これにより国外で開催される日本代表戦、現在カタールで開催されているACLに出場する選手・ スタッフ、さらにはワールドカップ予選などの国内で開催される日本代表戦に出場するために海外から帰国する日本人選手および対戦国の選手に関して、当協会が専門家の意見を踏まえた対応ガイドライン作成などのアスリートトラックにおける防疫措置を講ずることを条件に、日本帰国(入国)後14日間の待機期間に練習や試合への参加が可能となる。

 また、Jリーグによると、ACL出場3チームに対し、次のような防疫措置を講じる。

【行動管理】
〇選手およびチームスタッフは、毎日の健康状態・行動履歴を、Jリーグガイドラインに基づく「体温・体調把握&アラー トシステム」もしくはそれに相当する管理方法にて必ず記録し、毎日確認を行う

〇入国後14日間の練習参加について、練習場と宿泊場所(自宅など)の往復のみに限定し、食事についてもこれらの場所にて実施する

〇入国後14日間の試合出場について、自宅からクラブハウス(又は集合場所)までは自車にて移動し、クラブハウス (又は集合場所)から試合会場までは自クラブが手配したバスで移動する

【検査体制】
〇チーム関係者全員が入国時に空港にて抗原定量検査を実施し、陰性結果が得られた者のみがチーム活動に参加する
〇入国後14日間に最大3回、Jリーグが手配するPCR検査を定期的に行い、陰性結果を得られた者のみがチーム活動に参加する

 JFAの田嶋幸三会長は次のようにコメントしている。

「この度、SAMURAI BLUE(日本代表)や AFCチャンピオンズリーグ 2020出場クラブの選手やスタッフが、アスリート用東京オリパラ準備トラックが適用されることになり、政府やスポーツ庁をはじめ多くの関係者の皆様のご配慮にあらためて厚く御礼を申し上げます。来年もスポーツ界はコロナと共存しながら活動をしていかなければなりませんが、今回の決定で対象となる選手やスタッフが帰国後に速やかにトレーニングや試合に参加できることになり、今後の活動やオリンピックに向けた大きな一歩になると考えています」

 Jリーグの村井満チェアマンは次のようにコメントしている。

「今回のアスリートトラック適用に際し、政府やスポーツ庁をはじめ、多くの関係者の方々のご尽力に深く御礼申し上げます。また本措置の適用は、カタールへの出国前から大会期間中、そして帰国後の厳格な行動・健康管理など、専用のガイドライン遵守を約束してくれた選手やクラブの努力により成り立っています。 当然、3クラブともがACLを少しでも勝ち進むことを願っておりますが、帰国しリーグ戦を迎える場合でも、選手は練習や試合に参加することが可能です。継続してガイドラインに則り、Jリーグ全体で感染拡大防止に最大限努めます。リーグ終盤戦、ルヴァンカップ決勝、そして東京オリンピック・パラリンピックを見据え、クラブの活動が充実し、ファン・ サポーターの皆さまに楽しんでいただければ幸いです」

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[文:サカノワ編集グループ]

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