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【ACL】非情…これがVAR。酒井高徳は「事実を見ているのであれば仕方ない」。2点目取り消しで流れ一変、神戸が蔚山に逆転負け

蔚山現代戦に120分フル出場した神戸の酒井高徳。(C)VISSEL KOBE

決勝進出に向けて佐々木大樹がゴール!しかしボール奪取時のAPPまで遡り、ファウルの判定に。

[ACL 準決勝] 神戸 1(0EX1)2 蔚山現代/2020年12月13日/ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム(カタール・ドーハ)

 AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の準決勝、J1リーグのヴィッセル神戸は韓国Kリーグの蔚山現代に延長120分の死闘の末、山口蛍のゴールで先制しながら、その後追い付かれ、119分のPKによる失点で1-2の逆転負けを喫した。決勝進出が目前だったが、ベスト4進出で初のアジア挑戦を終えた。

 酒井高徳は試合後、「自分たちの力だけではここまで来られなかったので、皆さんにまず感謝しています。2試合続けて苦しい試合のなかで勝ち切れなかったことが非常に悔しいです」と、準々決勝に続いて勝利できなかった現実を力不足だと受け止めた。

「自分たちはすべてできることはやったかなと、それは言えます。チームとしてまとまって全てを出し切ったので、胸を張って帰りたいと思います。ただ、応援してもらっているなかで結果を残したかったので、それに応えられなかったのが非常に残念です」

 そして75分、佐々木大樹がゴールネットを揺らしたものの、そのゴールにつながったボール奪取時のAPP(Attacking Possession Phase)をチェック。微妙な判定ではあるが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によって、安井拓也が相手後方から足を掛けてボールを奪った可能性が指摘される(相手ボールとも言えない状況だが……)。OFR(オン・フィールド・レビュー)も経て、主審がファウルの判定を下した。

 そのあとの81分の蔚山現代のゴールで、VARのチェックをあおいだのは、オフサイドディレイによるもの。一旦副審が旗を上げたのは、蔚山の選手の位置がやや微妙だったため。VARによってオンサイドとはっきり確認を取り、主審は得点を認めた。

 とはいえ、結果的に佐々木のゴール取り消しで、試合の流れが変わってしまった。これがVARの残酷さでもあった。

 すでにハンブルガーSV時代、ブンデスリーガでVARのもとで戦ってきた酒井は冷静に受け止める。

「見られていることなので、しょうがないです(苦笑い)。今までそれが分からなかったのが、サッカーの醍醐味の一つでもあったのかもしれませんが、世界のルールが変わってきて、そのルールに則ってやっているなかで、確かにあった事実を見ているのであれば、それは仕方がないことだと思います。

 相手に多くのチャンスがあるなかで助かった部分もありましたし、逆に自分たちが決めなければいけないシーンもありました。それも全部含めて今日の結果だと思っています。勝てなかったことが非常に残念です」

 そのように酒井はVARを経てのゴール取り消しの判定について、むしろこの試合の一部分だと受け止めていた。

 神戸はこのあと帰国し、週末19日にはFC東京とのJ1リーグ最終節をアウェーで戦う。酒井は「この悔しさを忘れる人はいないと思うので、また早くこの舞台に戻ってきて、次はもっといい結果を出したい。神戸に戻り、自分たちのやることをハッキリさせて、成長していきたいです」と、この戦いを糧に前へ進む決意を示した。

三浦淳寛監督の采配的中、佐々木大樹が2点目を決めた――に思われたが。(C)VISSEL KOBE

注目記事:もしもイニエスタがいたら?三浦監督が記者会見で答える「素晴らしい選手だが――」。2戦連続120分の死闘、神戸はACL初出場ベスト4で敗退

[協力:ヴィッセル神戸 文:サカノワ編集グループ]

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