【浦和】「そこまでトガらずマイルドにも」山中亮輔が語ったマリノスの5レーン&ポジショナルプレーとの違い
浦和の山中亮輔。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
リカルド・ロドリゲス監督とポステコグルー監督のスタイル。「正直、全然違っているなと思っています」
J1リーグ浦和レッズのDF山中亮輔が2月3日の午前練習のあとオンラインによる取材に応じて、沖縄キャンプでのこれまでの手応えとともに開幕に向けた抱負を語った。
リカルド・ロドリゲス新監督のもと、浦和はピッチを縦に5分割した5レーンを活用するポジショナルプレーに取り組む。その「5レーン」「ポジショナルプレー」のキーワードや理論は、山中が3年前に在籍した横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコルグルー監督とも共通する部分がある。当時の山中は誰がどこにいて、一つ動くことで、プレーの選択肢はどう変化するのか――オフザボールでも常に頭も動かすスタイルに充実感を覚えるとも語っていた。
では2018年にボスの率いる横浜FMでプレーしたことで、現チームとの共通点、浦和で生きている部分はあるのか? その質問を投げ掛けると、日本代表にも選ばれてきたレフティは次のように語った。
「周りの選手のポジションを見ながらという点は、似ているところがあります。ただ正直、全然違っているなと思っています。マリノスの時はだいぶインサイド(5レーンのハーフスペース)に入っていく感じでしたけれど、そこまでトガった感じではなく、もっとマイルドな、サイドバック的と言える動きも求められます。似ているようで違うなと思いながら、個人的にはやっています。その監督の思っていることを表現できるように、今は練習の一つひとつ、丁寧に取り組んでいるところです」
理論や原則は共通項がある。しかし、そこからの発想、着想はまったく異なるということだ。そういう意味でも、浦和対横浜FMは、楽しみなカードの一つになりそうだ。
徳島時代のリカルド・ロドリゲス監督は、中央でボールを失ってカウンターを食らうのを回避するため、基本的にはサイドからの攻略に重点を置いていた(と見せかけて、中央から攻略することも)。守備面での約束事もある。一段と山中の武器であるタテへの突破や推進力がより生きる形になるか。
「ポゼッションのところで、攻めに転じる回数が多いと思うので、攻撃のところで違いを作っていきたいと思います」
そして今季の目標を尋ねられると、27歳のレフティは「チームの主力としてタイトルを獲ること」を掲げた。加入3年目、レッズで、このチームで頂点に立つこと。ただそれだけを欲していた。その左足がリカルド体制下で、どのように火を噴くのか。それもまた楽しみだ。
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[取材・文:塚越始]