×

【浦和】18歳の大器、GK鈴木彩艶が堂々デビュー「小学5年生から憧れてやってきた」

浦和のGK鈴木彩艶。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

トップに帯同した昨季は出場機会を得られず。「まず一つ出る、出たらしっかりプレーする、そのために今までやってきました」

[ルヴァンカップ GS1節] 湘南 0-0 浦和/2021年3月2日/レモンガススタジアム

 ルヴァンカップのグループステージ1節、浦和レッズの18歳のGK鈴木彩艶がトップチームデビューを果たした。ハイボールに対して申し分ない安定感を見せ、試合終盤にはオリベイラの至近距離からの強烈なヘッドをビッグセーブ。これまで浦和の守護神として君臨してきた西川周作とは、また異なる強力な武器を持つことを印象付けた。

 鈴木は2017年、19年のU-17ワールドカップ(W杯)に臨んだU-17日本代表に選出。さらに2019年のポーランドU-20ワールドカップ(W杯)を戦ったU-20日本代表にも選ばれた。ただし“日本の守護神”の座で出場が期待された21年大会は、新型コロナウイルスの影響で開催されないことが決定した。そこは少し残念ではあるが、チームの戦いに集中できる環境を手にした。今回の無失点デビューにより、東京オリンピック代表入りの可能性も出てきた。

「(浦和ジュニアに加入した)小学5年生の頃からトップチームで試合に出ることに憧れてやってきました。勝てませんでしたが、まずここで一つ試合に出られたことは次につながると思います。(浦和ユースに所属している2019年にプロ契約を結び、昨年はトップチームに帯同)昨年の最初から試合に出るつもりでしたが一度も出られず、悔しい思いもしました。まず一つ出る、出たらしっかりプレーする、そのために今までやってきました」

 浦和のトップチームの動向を見ながら、自身もともに歩み成長してきた。そしてまず浦和トップチームでデビュー――という目標を成し遂げた。

​「日本で一番のクラブでなければいけないという浦和レッズの重みを感じてやってきました。トップに入って2年目になり、昨年から積み重ねてきた結果が、試合に出るという形で回ってきました。ただ試合に出るだけでは意味がなく、出続けることが、これからは大事になってくると思います」

 そのようにデビューを果たした鈴木は、さらに次のステップを求めていた。​

「トレーニングでやってきた、組み立てにGKも参加するところは、できていた部分もあります。逆に近いパスばかりで、自分の特長であるロングボールをうまく生かせませんでした。その質は高めないといけないと、とは感じました」

 そのうえで1試合出場したことで、より貪欲さの増した鈴木は次のように課題を挙げていた。

​「決定的なシーンがあまりなかったので味方に感謝しています。特長であるゴールにつながるパスでもっとチャンスを作っていきたい。(コーチングに関して)今年のトレーニングキャンプから意識して取り組み、できるようになってきた部分でもあります。トレーニングやトレーニングマッチから改善できていると思っています」

 絶対的な守護神だった西川周作の座を揺るがす存在になれるか。むしろ、ならなければいけない。さらにその先、日本の守護神の座を狙える逸材である。そんな楽しみを膨らませる彩艶(ザイオン)のデビュー戦となった。

注目記事:反町改革、ユース年代のオフ設定を提唱「高校生は1年を通してサッカー漬けになるのが当たり前という風潮に、なんとかくさびを打ち込みたい」

[取材・文:塚越始]

Ads

Ads