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【浦和】PK決勝弾の杉本健勇が、阿部勇樹から掛けられた言葉とは?

浦和の杉本健勇。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

今季初ゴール&初勝利には「普通に嬉しいですが、安心はありません。試合は続いていきます」。

[J1 3節] 浦和 2-0 横浜FC/2021年3月10日18:00/埼玉スタジアム

 J1リーグ3節、浦和レッズのFW杉本健勇が横浜FC戦、PKによる先制の今季初ゴールを決めた。さらに阿部勇樹もPKで追加点を奪い、チームは今季初勝利を収めた。

 スコアレスでゲームが進むなか、宇賀神友弥が中村俊輔にタックルを受ける。主審はまずペナルティエリアのラインを挟んだ「外」からのFKを指示する。しかしVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックを経てのOFR(オン・フィールド・レビュー)で、ファウルがエリア内であると確認してPKを宣告した。

 そして37分、キッカーを務めた杉本が、豪快に右上にシュートを突き刺し、浦和に貴重な先制点をもたらした。

「蹴るコースは直前まで決めていませんでした。自信を持って蹴ろうと思っていましたが、いいコースに行きました」

 杉本はそのようにPKのシーンを振り返った。

 この場面、阿部からボールを託されてキッカーを担った。杉本は「僕が蹴りたい気持ちもありましたが、阿部さんからボールを渡された時『楽しんでな』と言われました。そこですごく気が楽になりました」と、キャプテンからの一言で肩の力がすっと抜けたそうだ。

 リーグ3試合目、公式戦4試合目にして、リカルド・ロドリゲス体制下での初勝利を掴み取った。

「普通に嬉しいです。安心はありません。どんどん試合が続き、勝てていなかったので、今日に懸ける思いはみんなあり、僕自身も強かったです。それが結果につながったのは良かったです。また明日からは切り替えて頑張りたいです」

 そのように杉本は淡々と語った。 

 また、今季浦和で3シーズン目を迎えたストライカーは、キャンプ中に外出による食事をしたチーム内の規律違反について、改めて謝罪をした。

「チームに迷惑をかけましたし、自分がいけないことをしてしまいました。監督からもすごく怒られました。ただプレーでやっていくしか僕にはなく、まだ今日1勝しただけです。もっともっと積み重ねていけるように頑張っていきたい気持ちです」

 一方、チームはまだ流れの中からゴールを奪えずにいる。チャンスは作れてきているので、あともう少し――という予感も増す。そこが攻撃面の課題にもなってくる。

「チームのコンセプトとして、FWがプレスバックをするところなど、さぼらずチームに貢献することをやり続けなければいけません。PKはそのおまけみたいなもの。次は流れの中から、どんどん得点を決めていきたいです」

 杉本が吹っ切り、ここから突き抜けていく。浦和の14番にとっても、チームにとっても、ターニングポイントとなるゴールであり、勝利にしたい。

注目記事:【浦和】明本考浩が横浜FC戦へ「積極的に仕掛けたい」。宇賀神友弥との“兄弟説”にも言及

[文:塚越始]

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