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【浦和インタビュー】塩田仁史が語る「雲の上の存在」阿部勇樹、リカルド監督との共鳴、そして目標――#2

トレーニングする浦和の塩田仁史。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

栃木SC時代、田坂和昭監督から評価された戦術眼。リカ体制で生きる。

 栃木SCから浦和レッズに今季加入したGK塩田仁史のインタビュー後編。今年40歳になる浦和の守り神が、同い年ではあるものの「雲の上の存在」だった阿部勇樹、今季就任したリカルド・ロドリゲス監督と共鳴する点、そして浦和に懸ける熱き思いを語る。その言葉からは、指揮官が塩田について「非常にプロフェッショナルで、チームの柱の一つ」と評していた所以(ゆえん)も見えてくる。

 まずはプロ18年目にして接点ができたキャプテン阿部について――。

◇  ◇  ◇

――同じ1981年生まれである阿部勇樹選手が塩田選手の加入について、同い年の選手が「まさか」このタイミングで来てくれて嬉しいと言っていました。ただ始動直後は塩田選手について、「ちょっと気を遣っているんじゃないかな」と言っていました。

「そりゃそうですよ。同い年とはいえ、歩んできた道は天と地ほど違いますから。イングランドでプレーして、日本代表でワールドカップを戦っている。同い年と言っても、同い年ではないような、そんな経歴ですし、俺はちょっと遠慮していました。各世代の代表にも入っていないし、雲の上の存在です。最初はちょっと手探りでした。でも今はだいぶ大丈夫ですよ、アベちゃんと言えるようになりましたから(笑)」

――リカルド・ロドリゲス監督と話すことは?

「ディフェンスのことに関して、話すことはあります。俺自身が『これは本当に危ないな』と思った部分についてだけ伝えています。リカはすごくいい監督です。ポジショニングや展開など、とても細かい部分まで気付きます。そこで戦術的に選手がやりやすいように、アテンドしてくれます」

――プロ18年間、数々の監督のもとでプレーしてきましたが、リカルド監督はどのようなタイプですか?

「自分のサッカー観に一番近い人かなと感じています。リアクションとか、ポジショナルとかに偏らず、監督は柔軟だと思います。もちろん骨幹となるサッカーがありますが、固執しすぎていないと言いますか、ゴールを取る、守る、勝つところからまず考えています。だから言っていることは、納得させられることが多いです。ミーティングでも、確かにそうだな、とよく心の中で頷いています」

――塩田選手といえば、戦術理解度の高さも特長の一つです。昨年プレーした栃木SCの田坂和昭監督は塩田選手について、「ピッチ上で具体的戦術を伝えられる。ベンチから声を出す以上の力を、チームにもたらしてくれる」と評価していました。

「田坂監督からそのように言っていただけるのは嬉しいです。ゲーム中も、練習中も、展開は目まぐるしく変わっていきます。1秒、2秒、3秒ほどの間で、一個ならいいけれど、二個、三個と気になることが場面によって出てきます。そこからまず一つ特化して選び、伝えるように考えています。だから戦術理解は大切です。監督が三つほど目についているだろうなと感じても、そこで最もチョイスしたい一つを選手に話します。そこで三つまとめて言っても、なかなか伝わりませんから。一つ整理できれば、次へと。もちろんまた局面が変われば、選択も変わります。そこをサポートしなければいけない。ただ、リカは常にいろんなことに気付けていると感じます」

――塩田選手自身は浦和での2021年、どのようなシーズンにしたいですか。

「まず個人としては、長くいたFC東京を離れた時(2015年)、いろんな経験をしたいという思いがありました。幸せなことに、それから3クラブ目になりますが、いろんな人と出会い、いろんなサッカーを体験し、いろんな選手のキャラクターやプレーを見て、とても多くのことを学んできました。この1年、新しい監督、選手、チームで、いろんなところを感じて吸収したい。サッカー選手として、このクラブにタイトルをもたらせるように努力したいし、ただ何よりゲームに出たいです」

――塩田選手の浦和のユニフォーム姿が見たいです。

「純粋にゲームに出たい。その思いは絶対に持ち続けています。その相手が(西川)周作であっても、(鈴木)彩艶であっても、ゲームに出たい。シャーレやトロフィーを掲げたい。ただ、加入会見でも言いましたが、キーパーはグループであり、浜さん(浜野征哉GKコーチ)を含め、いい関係を築けないとチームとして進んで行きません。そうやって戦いながらも、いいグループを作っていきたい。それはフィールドの選手もそう。監督も言っていますが、規律を守り、しっかりとしたグループにならなければ、チャンピオンにはなれない。17年間、俺もそれは感じてきましたから、そこに貢献できるようにやっていきます」

――「タイトル」を獲れると、チームに関わってきたあらゆる人たちが、その1年を共有し、みんなで語り合えます。

「浦和はプレッシャーもあると思いますが、その中でプレーしなければいけない、結果を残さなければいけない。その自信がなければこの移籍もしていませんでした。その意味では、40という年齢など関係なく努力していきたいです。年齢で言われることは多いと思いますが、自分も進化できるし、(周りの環境や)相手も進化して、いろんなものをそれぞれの人が持っていて、チームとして戦っています。誰一人同じストーリーのサッカー人生を歩んできたわけではないから、たくさんのことを学べます」

――阿部選手も復活を遂げて、さらに塩田選手の出場も多くの人が楽しみにしています。

「次はゲームに出て、浦和というクラブを感じたいです。簡単なハードルではないかもしれません。今心掛けているのは、どんと構えること。この年齢で来たから周りからいろんな見方をされるかもしれませんが、チームのためにやるべきこともたくさんあります。試合に出た時、どのようなプレーをするかが一番大事。そのチョイスをするのはリカルドであり、浜さんだから、この環境の中で常に準備して、いいパフォーマンスを続けるように心掛けていきます。もちろん試合に出たい。そこで結果が求められるチームであることも分かっています」

――塩田選手の戦う姿を待っています!

「早くエンブレムが似合うように、頑張ります」

※インタビュー前編+後編の完全版を3/19(金)夕方に改めて公開します。

浦和の新加入選手発表記者会見より。(C)URAWA REDS

プロフィール●塩田仁史 /SHIOTA Hitoshi  1981年5月28日生まれ、茨城県日立市出身、185センチ・78キロ。日立サッカー少年団 (日立市立田尻小学校) ― 日立市立滑川中学校 ― 水戸短期大学附属高校 ― 流通経済大学(4年時:横浜F・マリノスに特別指定) ― FC東京 ― 大宮アルディージャ ― 栃木SC ― 浦和レッズ。2004年からプロ通算18年目。通算成績はJ1リーグ91試合、J2リーグ50試合、ルヴァンカップ51試合、天皇杯32試合、公式戦通算224試合出場。

注目記事:【浦和インタビュー】塩田仁史が語る“ビックリされた移籍”、レッズを実感した湘南戦後の風景。リカルド監督からは「チームの柱の一つ」と評価 #1

[取材・文:塚越始]

 

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