【浦和】武田負傷交代の緊急事態、リカルド監督が施した勝利への『軌道修正』
徳島戦のあとオンラインで記者会見に応じた浦和のリカルド・ロドリゲス監督。協力:浦和レッズ
柴戸海も「この試合に出られるかギリギリ」だったため、杉本健勇を投入して――。
[J1 9節] 浦和 1-0 徳島/2021年4月11日16:00/埼玉スタジアム
J1リーグ9節、浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督にとって古巣の徳島ヴォルティスとの一戦、ホームの浦和が関根貴大のゴールで1-0の勝利を収めた。
試合開始早々の11分、3試合連続でスタメン出場を果たした浦和の武田英寿が足首を傷め、杉本健勇と交代するアクシデントが発生した。そこからアウェーチームに主導権を握られて劣勢を招き、西川周作の再三にわたるビッグセーブでしのいでリズムを掴んでいった。リカルド・ロドリゲス監督はどのように修正を施して勝利を手繰り寄せたのか。試合後の記者会見で、次のように説明した。
「前半は武田の負傷交代のあと、チームに混乱が生じてしまいました。システムを変更したのですが上手くハマらないまま、前半終了の頃まで時間が掛かってしまいました。ただ、そこからクロスバーを叩くなどチャンスのシーンを作り出せていきました」
インサイドハーフに入る武田の負傷交代の際、誰を新たに加えるのか。いくつかの選択肢が考えられた。そこで杉本を投入した意図を、リカルド・ロドリゲス監督は次のように明かす。
「(ボランチの)柴戸はこの試合に出られるかギリギリでした。長い時間は出られない状況にあり、あの時間(11分)からの投入は早いと思っていました。そこで杉本を入れて、武田のいた位置で武藤を使い、どれだけできるか試してみました」
武藤の推進力を2列目で活用する――そういう狙いだった。ただ指揮官は「特徴が異なるので、コンビネーションが上手くいかず、小泉と伊藤を2ボランチにすることで対応しました」。
武藤のゼロトップ気味と言える4-1-4-1から、杉本を頂点とする4-2-3-1へ。守備時に加え臨機応変に杉本と武藤が2トップに近い形にもなれるように明確化。その修正の変遷を辿って、徐々にチームとしても改めて機能していったということだ。
「後半はより前からのプレスもハマり、ボールを回すところでも前半よりできました。ゴールが決まったあと、クロスへの対応など堅い守備も見せられました(無失点)。そういった細かいディテールの部分で、この試合はよくできたと思います」
リカルド・ロドリゲス監督はそのように3連勝を喜んだ。
軌道修正しながら、その狙いを選手たちが理解し、勝点3につなげた。もちろんそのなかに杉本が上手く絡めずにいた点など課題も残したが、勝利という結果を残せたことで、浦和がまた一歩しっかりと前進した。
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[文:サカノワ編集グループ]