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【浦和】酒井宏樹&西大伍「共存」、リカルド・ロドリゲス監督がビジョンを語る。二人とも「ポリバレントな選手」

酒井宏樹(左)と西大伍(右)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

13日の神戸戦は「浦和を迷わせることを狙ってくると思う」。

 J1リーグ浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督が6月11日、オンラインによる記者会見に応じて、13日のルヴァンカップ・プレーオフステージのヴィッセル神戸との第2戦に向けて意気込みを示した。また前日にフランス1部のオリンピック・マルセイユからの加入が内定した日本代表DF酒井宏樹の起用法などについても語った。

 神戸とのアウェーでの第1戦は苦しみながらも2-1で勝利。貴重なアウェーゴールを「2点」得てホームゲームに戻る。しかし指揮官はむしろ一段と気を引き締める。

「90分間の試合であれば、今は2-1でハーフタイムに入ったと考え、次に挑まないといけません。仕事はまだ終わっておらず、何も掴んでいません。この途中経過をキープするだけでなく、しっかり勝利を目指して戦います。いつも通り自分たちのスタイルを大切にして、ファンの皆さんにスペクタクルをお見せしたいと思います」

 神戸が勝利するには最低「2点」が必要な状況でスタートする。浦和優位なのは間違いないが、もしも神戸が先制すれば立場は一変しかねない。もちろん浦和が先制できれば、ベスト8進出へ大きく前進する。そのあたりの駆け引きも勝負の綾になる。

「立ち上がりが大事になると思います。神戸としては、試合開始から力強いプレーでゴールを決めて、浦和を迷わせることを狙ってくると思います。そのように神戸がリスクを冒してくると考え、自分たちがやらなければいけないことをたくさん意識し、メンタル面、戦略的な面を大切にしてプレーしたいです」

 そして酒井の加入が内定したことについて、指揮官は次のように期待を寄せた。

「酒井宏樹選手が日本に戻りたいという希望を持っていると聞き、そのような機会があればと興味を持ちました。彼はポリバレントな選手で、複数のポジションをこなせます。レベルの高いサッカー選手。経験も豊富で、リーダーシップも発揮できます。私の求める戦術的な柔軟性をも持ち合わせていると思います」

 ただ、酒井が主戦場とする右サイドバックには、今季加入した森保ジャパンにも選出された西大伍がいる。浦和の「8番」は5レーンを活用する戦術のなかで時にボランチのような役割も担う、欠かせぬ存在となってきた。二人の使い分け、あるいは“共存”について、指揮官は現時点で思い描いているビジョンについて語った。

「西選手もポリバレントな選手で、シャドー、サイドハーフ、ボランチなど、より高い位置でもプレーできます。二人を組み合わせられるとも思っています。酒井選手は3バックのセンターバックもできます。左サイドバック、ウイングバックも可能です。重要なのはチームとして戦える形に持っていくことです。これからは中2日、3日で試合が続き、今すべての大会で戦っています。そのなかで二人が同時にピッチに立つことも十分あり得ます。ともに素晴らしい選手なので、いいパフォーマンスを3つの大会で発揮させながら上を目指していきたいです。そして3つだけではなく、4つ目のACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)も戦いたいと思っています」

 リーグ、ルヴァンカップ、天皇杯――そしてACL。現在と近い未来、さらに少し先の将来。そういった現実と先を見据えての大型補強となった。

 Jリーグの第2の選手登録期間は7月16日から。また酒井は東京オリンピック日本代表へのオーバーエイジでの参戦が事実上、内定している。

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[文:塚越始]

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