【金メダリストの声 #3】上野由岐子「今後についてはまだハッキリと決めていません」(ソフトボール)│東京オリンピック
優勝したソフトボールの日本代表。 (Photo by Yuichi Masuda/Getty Images)
宇津木監督「最高の人生です」、山田恵里「五輪競技として再び復活できるように」。優勝決定投手の“判断”についても詳しく語る――。
東京オリンピックのソフトボールで金メダルを獲得した日本代表が7月28日、オリンピック・パラリンピック大会組織委員会主催の記者会見に臨み、13年ぶりとなる「世界一」に立った喜びを語った。
――メダル獲得から一夜明けての心境をお願いします。
宇津木麗華監督「応援ありがとうございました。やっと朝になって実感が湧きました。無事優勝できて良かったと思います。私自身5年前に日本の監督を任せていただき、選手、スタッフ、ソフトボール界の皆さんがしっかり準備を努力してきた結果だと思います。私自身もこの素晴らしい選手のもと指導できて、感謝しかないです。最高の人生です」
山田恵里「本当にたくさんの方々に応援、支えていただき金メダルを獲得できました。この東京オリンピックは恩返しのオリンピックにしたかったので、金メダルという形でお返しできて良かったと思っています。ソフトボールは次回のオリンピック競技からまた外されてしまうのですが、その次に復活できるように、今回で終わらせることなく、ソフトボール界をもっともっと盛り上げていきたいです」
上野由岐子「ここにいる選手、スタッフ、みんなの力を合わせた結果が、こうして金メダルという形で終われて心から嬉しく思います。一夜明け、本当に金メダルを獲ったんだなという実感でいっぱいです」
――このオリンピックについて。
上野「私たちは福島で復興五輪として、そして全競技のスタートとしても注目され、いろんな思いで戦ってきたオリンピックでした。この13年間の思いを一球、一球にしっかり込めて投げ、福島の地に思いを置いていくことができたと思いました。そして今回の横浜スタジアムでも最後の最後まで一球一球に思いを込めて投げることができました」
後藤希友「今回初めてオリンピックを経験させていただき、私自身、素晴らしい経験をたくさんの試合で積ませていただいて、1球1球全力で投げていたんですけれど、すごく楽しかったという思いが強かったです」
山田「今回のオリンピックは自国開催で、前回の北京は金メダルだったので、すごく重みのある大会。オリンピックを迎えるまで苦しい、辛い思いのほうが多かったのですが、それを乗り越えたからこそ、この結果になったと思います。大きなプレッシャーがあったからこそ達成感もすごくあった大会になりました。こうした状況のなかでオリンピックを開催していただき、応援してくださった方々の希望の光になりたいという思いでやっていたのですが、少しはその力になれたのではないかと思っています」
――今後について。
上野「今回はすごく達成感のある金メダルです。今後の進退については、(アメリカ代表の)ミッシェル・スミス選手のように長くピッチャーとして、選手として投げ続けたい思いはありますが、今後についてはまだハッキリと決めていません」
――決勝のラストイニング、後藤投手ではなく、上野投手が締めくくったことについて。
宇津木監督「今回指導者になった時、とにかく2連覇という目標をいただき、3人のピッチャーを選考しました。正直、後藤選手がここまで伸びると思ってもみませんでした。ただ彼女は何より精神力が強く、なんとかしてくれるという、そこに懸けてきたところもありました。本当に良かったです。最後は山路コーチ、峰(幸代)キャッチャーと話すなか、後藤選手は投げたボールが少し真ん中に寄っていて、いつも通りではないという情報をもらいました。サードライナーの時、アメリカがちょっと慣れてきたという判断もありました。上野はこうした最後の精神力は誰よりも強く、山路コーチと確認をとり、上野に締めにいこうという話をした時、『大丈夫です』と言ってくれたので、迷わず勝ちパターン、確実に勝つパターンを選択しました。とにかく勝つことが一番なので、良かったと思います」
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サカノワでは東京オリンピック期間、特別に東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が主催する日本代表選手団の金メダリスト記者会見の模様をお伝えする。この2週間、サッカーの輪を、スポーツの輪へ広げて――。
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