スペイン打破のキーマン上田綺世が語る「連続性」「動き出し」。東京五輪サッカー日本代表8/3準決勝!
上田綺世。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
これまで全試合出場もノーゴール。そろそろ一発が生まれる予感――。
[東京五輪 準決勝] 日本 – スペイン/2021年8月3日20:00/埼玉スタジアム2002
東京オリンピックのサッカー男子・準決勝、日本代表対スペイン代表戦が8月3日、埼玉スタジアムで行われる。勝ったほうの銀メダル以上が確定する。
ゴールにつながる活躍が期待されるのが、FW上田綺世(鹿島アントラーズ)だ。合宿スタート時はケガにより別メニューに。スタッフと話し合い、『東京五輪本番・初戦』に間に合わせると設定を立て、リハビリのプログラムを行ってきた。
そして実際、初戦・南アフリカ代表戦のピッチに立った。
これまでは南アフリカ戦(〇1-0)18分、 メキシコ戦(〇2-1)10分と途中出場、そしてフランス戦(〇4-0)で先発フル出場。ニュージーランド戦は後半途中から延長まで計51分間プレーし、「立候補制」だったPK戦の一番手のキッカー役を担い成功させた。
しかし、これまでまだ今大会ノーゴールである。
少し遠慮しているのか、周囲に彼が合わせようとしているのか。とはいえボールが来なくても、相手へのダメージや効果も考え、上田は背後を突く空走りを淡々と繰り返す。そうしたなか、南アフリカ戦では三好康児からのスルーパスに抜け出し、ニュージーランド戦では堂安律のクロスにニアで合わせ、いずれも決定機を作り出している。
ゴールは近づいている。
22歳のストライカーはオリンピック日本代表に選ばれた6月22日、オンラインによる取材で『対・外国籍選手』に対し、こんなことを語っていた。
「もちろん潰されることも多々ありますが、それ以上に背後や隙を常に狙って動き、そうすればチャンスを作れると思っています。継続してそこを狙い続ける。そのために、相手を常に見て、準備し続けることが大事だと思っています」
準決勝の対戦相手はスペインだ。そう簡単に隙を見せてくれはしないだろう。が、だからこそ、上田の言う「継続」もまた、攻略の突破口を見出すには大切になる。むしろゴール攻略の重要な要素と言える。
加えてパサーとの関係性について、こんなことも語っていた。
「シュートや動き出しなどで力を発揮することも大事ですけれど、特長にこだわりすぎず、その力をどんどん大きくして、そうしながら他の武器も身に付けていきたい。二つを同時にしていく必要があります。その特長一つにしても、得意な動き出しと苦手な動き出しがないように、いろんな動き出しをトライしていきたい。ただ、そこはパサーがいるのが前提です。そのパサーの選手たちとコミュニケーションを取りながら、ある程度の共有ができるように、自分なりに取り組んでいきたいです」
スペイン戦、今大会初ゴールを決められるか――。様々なことを共有し合えているのだと証明する、18番の一発が待望される。
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[文:サカノワ編集グループ]