東京五輪4位、森保一監督が記者会見「世界で戦っていくためのチャレンジをしてくれた」
日本の森保一監督(右)と谷晃生(GLのメキシコ戦より)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
闘争心が感じられず、球際も負けていたが?という質問に対して。
[東京五輪 3決] 日本 1–3 メキシコ/2021年8月6日/埼玉スタジアム2002
東京オリンピックの男子サッカー3位決定戦、日本代表はメキシコ代表に1-3で敗れ、ホスト国での53年ぶりのメダル獲得はならず、2012年のロンドン大会に続き4位に終わった。
森保一監督が行った、試合後の記者会見の要旨は次の通り。
――大会を終えて。
「このオリンピックを目指して育成年代から成長してくれた姿を選手たちは見せてくれて、非常に幸せな充実した時間を過ごさせてもらえました。事前キャンプから最大限の努力をずっと続け、毎試合臨んでくれました。オーバーエイジも最後に加わり、非常にいいチームにしてくれました。メダルに手は届きませんでしたが、メダルを懸けて戦うところまで選手たちが連れてきてくれたことに、監督として感謝しています。選手・スタッフの努力はメダルに値する価値があると思っています」
――広島、原爆の日。8月6日は特別な日だったが。
「今もなお心に傷を負って生活していること、生きていることを、世界中の多くの人々と考え、共有できればと思います。コロナ禍ではありますが、平和だからこそスポーツができます。オリンピックという祭典では互いに競い合うものの、ルールのなかで相手を尊重し、憎しみ合うことではありません。私自身も8時15分に黙とうを捧げました」
――今大会のサポートについて。
「尽力してくださった全ての方たちに感謝を申し上げます。このオリンピックの経験は選手の血となり肉となり、今後の成長につながると思っています」
――連戦のためか、闘争心が感じられなかった。失点はいずれもセットプレーで、球際でも負けていたが?
「選手たちは歯を食いしばって、力を振り絞って、銅メダルを掴み取る気持ちを持って試合に臨んでくれました。結果的に1-3という敗戦で、見ている方からすると、すべて負けていたと見えるかもしれません。もちろん、そこは反省して取り組まなければいけない課題だと思います。選手たちが足を止めず最後まで戦ってくれたことをたたえたいです。
セットプレーで3失点を喫しましたが、疲労があってなかなか体が動かないなか、メキシコがしたたかに勝っていく試合巧者ぶりを発揮していたと思います。そこは私たちが取り組んでいかなければいけない点だと思います。フレッシュな状態で戦える親善試合ではなく、こうして6試合を通じて、世界のトップ・オブ・トップとの厳しい戦いのなかでこそ得られるものでもあります。日本のサッカーの成長のため、この悔しい経験を受け止めていきたい。また選手たちに表現してもらうための準備をし、何ができたのか、私の仕事の責任として、しっかり突き詰めたいと思います。ただ選手たちは今できるベストの力を出そうと積極的に果たしてくれたと思います」
1失点目は、ボールをつなごうとして、堂安のボールロストから始まったかと思います。選手たちはそれも我々の成長のためにトライしてくれた結果だと捉えています。直近のスペイン戦でも守から攻への奪ったボールを攻撃につなげていくところ、ボールを保持しながらプレッシャーをかいくぐっていこうとしました。もっと成長したい、強くなりたいということでトライしてくれた結果でした。結果として、反省しなければいけないところはありますが、世界で戦っていくためのチャレンジを表現してくれて、それは成長につながっていくと考えています」
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[文:サカノワ編集グループ]