中国サッカーバブル崩壊へ。広州FCがカンナバーロらコーチ陣と契約解除、23日が再合流予定だったが…
2019年のACLより。試合前に握手をかわす広州のカンナバーロ監督(左)と浦和の大槻毅監督(右)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
恒大集団の経営危機を受けて。
中国超級(1部)リーグの広州FCは9月23日、ファビオ・カンナバーロ監督らコーチングスタッフとの契約を解除したと発表した。チームの責任企業にあたる、不動産開発を主体とする「中国恒大集団」の約33兆円と言われる巨額負債の発覚に伴い、指揮官らも情報を収集。現在リーグ戦は中断していたが、チーム活動再開日となる23日に姿を見せなかったという。
『サッカー・チャイナ』によると、23日はFAカップとリーグ戦の再開に向けた広州FCの再始動日。しかしカンナバーロらコーチングスタッフ全員が現れなかったという。クラブとカンナバーロは基本的には揉めることなく、「平和的な別れ」を選択したそうだ。新監督は内部昇格を軸に人選を進めていくという。
イタリア代表キャプテンとして2006年ドイツ・ワールドカップ(W杯)を制したカンナバーロは、キャリア晩年にはアル・アハリでプレーし引退したあと、2014年に広州(当時名称:広州恒大)の監督に就任。いくつかのクラブを率いたあと、再び広州に戻り、一時は中国代表との兼任監督も務めた(2試合のみで終了)。
コーチ陣は検疫のための待機期間を考えると、早めに中国入りしておく必要があったものの一向に姿を見せずにいた。そうする間に、恒大集団の問題がより明らかになり、今月48歳の誕生日を迎えたカンナバーロ監督の退任が決定的となっていった。
中国リーグは莫大な資金を投じながらも、一向に国内の選手のレベルが上がらないことを危惧。今季からチーム名の企業名が禁止され、サラリーキャップ制も導入され外国籍選手の年俸上限も設定された。そうしたまさに改革が行われるなか、中国サッカーバブルが崩壊することとなった。
【注目記事】
・日本代表の森保一監督を辛辣批評「過大評価された選手ばかり起用。まるでアジアのアルテタ」。豪州メディアがW杯最終予選の10月決戦を前に
・【市場価格付き】Jリーグ獲得な日本人7選手。塩谷司、細貝萌、 森本貴幸…
【PHOTOギャラリー】野人 岡野雅行&田中達也 疾走、闘莉王 吠え、小野伸二 華添える。平川忠亮 引退試合(28枚)
[文:サカノワ編集グループ]