「まるでジェットコースター」。鎌田&長谷部のフランクフルト、激しい乱高下…気付けば降格圏が目の前に
フランクフルトの鎌田大地(左)と長谷部誠(右)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
バイエルンに勝利を収めながら、15位に低迷。
バイエルン・ミュンヘンに唯一勝利を収め、ヨーロッパリーグ(EL)ではグループステージ首位。しかし、いまだブンデスリーガでは1勝しかできず、いいムードで迎えたはずの直近のVfLボーフム戦も敗戦――。日本代表の鎌田大地、そして長谷部誠の所属するアイントラハト・フランクフルトのそんなチーム状態を、ドイツメディア『ビルド』は「まるでジェットコースターのようだ。乱高下が激しすぎて、多くのファンがめまいを覚えている」と評している。
そのチーム内のタレントについて、同メディアは「4つのグループ」があるとして、今季就任したオリバー・グラスナー監督がその最適解をなかなか見つけられずにいると指摘する。
鎌田は「欲求不満」のグループに分類されている。フィリップ・コスティッチ、マルティン・ヒンターエッガー、ケヴィン・トラップについて、夏のウインドーでビッグクラブへ移籍するチャンスがあったものの、いずれも契約には至らなかった。加えてUEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)の出場権を逃したことで、彼らは「失望しながら」シーズンを迎え、まだトップフォームにないと指摘。トラップのみが絶好調だと評価する。
一方、長谷部は「オールディーズ」のグループに。チームキャプテンに指名されたセバスティアン・ローデ、ティモシー・チャンドラー、シュテファン・イルザンカーら「経験豊富な選手だが、ケガで苦しんだり、ベンチであまりプレーできずにいる」と、立ち位置に触れる。
ほかに「静かな選手」と、黙々と走り続けるエヴァン・ヌディカ、ジブリル・ソウは、「最も安定感のあるグループ」と一定の評価を下すものの、「なかなかムチが入らない」と、よりエネルギッシュなプレーを求めてもいる。
そして、最も問題であるとも言えるのが、「ニューカマー」の集団だ。「大きな期待を持ってブンデスリーガにやってきた彼らが好パフォーマンスを発揮してこそ、フランクフルトの状況は好転する」と期待を寄せる。ただし、新「9番」のサム・ラマース、ラファエル・サントス・ボレら出場機会を得るものの、ドイツ1部のレベルで通用するほどの戦力になれずにいる印象だ。
そうしたなか、グラスナー監督はこのほど、選手たちに「よく話し合おう」と呼びかけ、そこでチームの方向性のズレなども浮かび、むしろ「ゲームに対する考え方が見えてきた」そうだ。が、すぐにその“コンセプト”も瓦解してしまったという。
スタイルを180度転換させ、しかし、そこに少しずつ昨季の良い時の要素も取り入れている。フランクフルトは果たして、軌道を上向きにできるのだろうか。
気付けばリーグ15位……降格圏は目の前である。今週末はRBライプツィヒとホームで対戦する。
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[文:サカノワ編集グループ]