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「声出し応援」専門家は慎重論。NPB・Jリーグ新型コロナ対策会議

NPBの斉藤惇コミッショナー(左)と Jリーグの村井満チェアマン(右)(2020年3月撮影)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

「マスクをつけての応援もまだ先では」「まずは満員を目指すべき」

 NPB(プロ野球)とJリーグ合同による第42回新型コロナウイルス対策連絡会議が11月1日に行われ、これまでの「ワクチン検査パッケージ」の実証実験の状況報告のほか、来シーズン(2022年)の検査システムなどについて協議した。また専門家チームからは各地域と世界の感染状況や傾向に関する報告があった。

 会議のあとNPBの斉藤惇コミッショナー、Jリーグの村井満チェアマン、専門家チームの賀来満夫氏(東北医科薬科大医学部)、三鴨廣繁氏(愛知医科大大学院)、舘田一博氏(東邦大医学部)がオンラインによる合同記者会見を開いた。

 選手・スタッフの来年の検査体制について、現在の費用が高額であるものの精度の高いPCRによる各週検査を継続するのか、あるいは費用的には安価で済むものの精度がやや落ちると言われるいわゆる抗原検査の頻度を増やすのか、メリット・デメリットを挙げて協議した。専門家からは、抗原検査の頻度を高めていけばクラスターを抑えることができるのではないかと提言があった。

 また、会見後の質疑で「声出し応援」について、どうすれば認められるのか、という質問に対して、専門家からは慎重な意見が続いた。

 村井チェアマンは感染状況に応じ「機動性を高めていくことが大切」とし、現状のように感染者が減少している際には、そこに対応する臨機応変さの大切さを強調した。

 また、斉藤コミッショナーは「警戒しながら観戦する、というのは普通ではないこと。私たちは“楽しむ”状況を提供する責任があります。お客様方が安心して、リラックスして来ていただける状況を作っていきたいと思います」と、『withコロナ時代』の観戦のあり方について考えを示した。

 しかし、専門家からは慎重な意見が続いた。

 賀来氏は「新型コロナウイルスの特徴の一つが、話すことでウイルスが飛沫すること。その特徴は変わらないと思います。『声出し』はコロナのポイント中のポイント」とし、実証的なデータも必要になっていくと指摘。また、ワクチン接種率80パーセント達成、飲み薬の供給など、より環境が整うことが先決であると改めて強調し、「マスクをつけながらの声出しにはもう少し時間が掛かると思います」と語った。

 舘田氏は「まずフルに入場、観戦できること。その先にマスクをつけて声を出せるように」と、入場者数を増やすことが先決ではないかと意見を述べた。

 一方、三鴨氏は“マスクなし”の応援については、まだ先になるだろうと語った。

 サッカーの場合、果たして入場者数が“解禁”されても、満員近く来場するのかどうか、クラブによって、現状では見えて来ない状況にある(50パーセント制限で埋まらないチームも少なくない)。スタジアムでの声を出すことなど『禁止事項』が多いことも少なからず影響。サッカー(Jリーグ)離れもまた進み、果たして再びファンが戻ってくるのか、そして増加へ向かうのかは見えてこない。

 加えてインターネットによる観戦・視聴の機会が増すなか、すでにスタジアムへのフル(あるいはそれに近い)動員と声出し応援を認める欧州主要リーグもまた、Jリーグのライバルコンテンツであるという認識も必要かもしれない。

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[文:サカノワ編集グループ] 

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