DF塩谷司が広島復帰、拍手に包まれる。一方、涙した荒木隼人へ「まだまだ若い。僕もいっぱいミスをしてきた」

苦戦を強いられた鹿島戦、72分から最終ラインでプレー。「やっと『ただいま』と言えます」。

[J1 34節] 広島 １-４ 鹿島／2021年11月３日15:03／エディオンスタジアム広島

　サンフレッチェ広島のDF塩谷司が鹿島アントラーズ戦の72分から途中出場し、４年ぶりとなるJリーグのピッチに立った。しかし城福浩前監督が解任され、今季末まで暫定で指揮を執ることになった沢田謙太郎新監督のもと、試合は１-４で完敗……。復帰戦を飾ることはできなかった。

「（投入は1-4の時点から）負けていた状況だったので、１点でも返せるように、と入りました。たくさんの方が温かく拍手をして迎えてくれて、やっとこれで『ただいま』と言えると思いました。

　攻撃の起点になりたかったですが……まだまだだと感じました。全然ダメだったと思うので、また練習からしっかりコンディションを上げて、クオリティも上げていけるように１日１日やっていきたいです」

　エディオンスタジアムでの久々のプレー。塩谷は大きなオベーションに「このような試合をしたなか、本当にありがたかったです。その気持ちに応えていきたいです」と感謝を惜しまなかった。

　また彼と交代した荒木隼人はファウルによるPK献上など、この日なかなか噛み合わなかった。ピッチを去る時には涙を拭うような姿も見せた。

　ただ、そんな荒木への“期待”を問われた塩谷は、次のように語った。

「ミスのないディフェンダーはいません。失点した時はどうしてもDFのミスだ、となります。ただ、そのポジションで彼は勇気を持ってプレーしていました。別に下を向く必要はありません。彼もまだまだ若いし、僕もいっぱいミスをしてきました。逆に若い選手がミスをしても、周りでカバーできるようにしていかなければいけない。前を向いてやってほしいです」

　日本代表にも選ばれた25歳のセンターバックへの思いを、塩谷は続ける。

「能力はすごく高く、僕は彼のようなディフェンスを絶対できません。俺の若い頃でも、彼のように強く逞しく守ることはできなかったので、その良いところをどんどん伸ばしつつ、その中で、レベルアップするところは練習で取り組むしかありません。何より自信を持ってやってほしいです。本当に素晴らしいですから」

　塩谷はそのように、荒木の背中を力強く押していた。

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[文：サカノワ編集グループ]