【鹿島1-0浦和】全選手ひと言寸評。印象的だったスンテと関川の関係。土居聖真「男気じゃんけん」秘話? “FW槙野”のスクランブルは…
鹿島の関川郁万。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
“ダービー”に懸ける最も強い思いが伝わってきた安西幸輝のファイト。
[J1 35節] 鹿島 1-0 浦和/2021年11月7日14:03/カシマサッカースタジアム
J1リーグ35節、鹿島アントラーズ対浦和レッズの一戦、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)出場権を懸けた勝点59同士の対戦は、土居聖真のゴールで鹿島が勝利を収めた。全選手のひと言寸評をまとめた。
▽鹿島アントラーズ
▼先発
GK
1 クォン・スンテ
関川に声を掛け、それに頷く関川が迷いなくプレーできていたのが印象的だった。
DF
32 常本 佳吾
逆の左サイドをはじめ全体が前掛かるところ、決して下がるのではなく、絶妙な位置取りでバランスを取ることに配慮。あとは“怖いクロス”がほしい。
33 関川 郁万
前半は基本的に江坂をマーク。「力」と「技」の駆け引きで、次第に相手が後ろにポジションを取るようになり主導権を握った。
28 町田 浩樹
高さが効いて、最後のパワープレーでも動揺せず。逞しかった。
2 安西 幸輝
クロスから決定機、カットインから惜しいシュート。この「ダービー」に懸ける思いが最も伝わってきた選手。総合力の高さを見せ付けた。
MF
20 三竿 健斗
浦和が主導権を握りかけた時、全体を統率。常に強気なプライドを示し続けた。
21 ディエゴ・ピトゥカ
攻撃のスイッチの入れ方が巧み。決定機を仕留めていれば……。
7 ファン・アラーノ(▼88分)
サイドの主導権争いで、ボールを収めることで優位性を作り出した。
17 アルトゥール・カイキ(▼57分)
中盤に迫力をもたらし浦和の平野らに自由を与えず。立ち上がりから100パーセントで行き、バテたところで交代に。
FW
8 土居 聖真(▼72分)
鹿島のメモリアル1700ゴールを奪取。広島戦を終えたあとの空港の食事の支払いをかけた男気ジャンケンでも勝利して全員におごったそうで、「プライベートではそうでもないけれど、このチームでは持っています」。
18 上田 綺世(▼72分)
シュートがしっかり当たらなかったものの、相手を完全に釣り出して土居のゴールをもたらした。さらに惜しいシュートも1本放つ。
▼交代出場
MF
11 和泉 竜司(△57分)
敵陣にできたギャップを突いて、浦和の逆襲を封じる。
MF
13 荒木 遼太郎(△72分)
連続ゴールはならなかったが、試合終盤、前線に改めてパワーをもたらした。
FW
9 エヴェラウド(△72分)
チームが求める役割をこなし、勝利に貢献した。
DF
39 犬飼 智也(△88分)
パワープレーで投入された槙野をチェックしながら無失点に抑える。
▽浦和レッズ
▼先発
GK
1 西川 周作
この日は風もあったが、ロングキックの精度がやや物足りず。
DF
8 西 大伍(▽87分)
高い位置に張り出す安西に苦戦。さらにブラジル人2人も右サイド寄りに来られて、敵陣のギャップを突いてプレーできず。
DF
4 岩波 拓也
ビルドアップの始点となる。失点シーンは後ろではなく前で防げなかっただろうか。
28 アレクサンダー・ショルツ
鹿島に対抗できる強度を最終ラインにもたらす。後半は攻め上がって優位性を作り出していった。
6 山中 亮輔
浦和のキーマンとしてサイド攻撃の「出口」になっていた。ただクロスなどファイナルサードでの精度がいま一つ。
MF
41 関根 貴大(▽72分)
同サイドに西が入り、酒井宏樹の時と比べて、中央寄り、ゴールへ近いところでプレー。ユンカー、江坂とのトライアングルを構築したが、そこになかなかボールが入らず。怒ってボールを蹴り出した行為は、イエローカードを受けてもおかしくなかった。
40 平野 佑一(▽72分)
前半は時に二人掛かりでのプレスを受け、フリーにさせない“狙い”どころにされる。ただ後半はさすがで、しっかり修正を施して起点として機能。
17 伊藤 敦樹
こうしたパワーを前面に押し出してくる相手に、どのように対抗し、主導権をもたらすかがテーマに。
24 汰木 康也(▼HT)
鹿島の襲い掛かってくる強度に抗い切れず前半で交代に。
FW
33 江坂 任
前半はプレスをかわそうとしているのだが次第に低い位置でのプレーが増加。後半ゼロトップに入り修正。ただ巧さはあるが全体的に消極的と言え、後半立ち上がりのバックパスが甘くなりピンチを招いたシーンは象徴的だった。
7 キャスパー・ユンカー(▼HT)
前半は最前線までボールが入らず。後半は中盤を分厚くし、ビルドアップ重視の陣容に。結果論だが、切り札にとっておきたかった。
▼交代出場
MF
18 小泉 佳穂(△HT)
中盤を厚くする形にして、明らかに相手は混乱していた。もっと相手が嫌がるプレーを徹底したかったか……。
MF
21 大久保 智明(△HT)
自らが得たFKのチャンス。すぐさま自身でボールを手にして、“自分が打つ”と強い姿勢を示した。
FW
30 興梠 慎三(△72分)
最後のヘディングシュートは、まさに興梠の形だったが――。決まっていれば、ヒーローだった。
DF
3 宇賀神 友弥(△72分)
サイドでロングキックから背後を付くなど起点となる役割が求められた。
FW
5 槙野 智章(△87分)
ラストカードで最前線に投入。相手の目先を変えるスクランブルとしては効果があったかもしれないが、鹿島には通用しなかった。
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[取材・文:塚越始]