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阿部、槙野、宇賀神…浦和のリカルド監督が涙で3人への思いを語る「クラブとしても、監督としても、非常に難しい決断でした」。通訳の羽生直行さんも…

オンライン取材で声を詰まらせた浦和のリカルド・ロドリゲス監督。協力:浦和レッズ

阿部の振る舞いに「みんなにできることではありません。スペインでは見られないことです。それは彼の人間力です」。

[J1 36節] 浦和 – 横浜FM /2021年11月20日14:00/埼玉スタジアム

 J1リーグ浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督が11月19日、翌日の横浜F・マリノス戦に向けたオンラインによる記者会見に臨み、試合への抱負とともに、今季限りでの引退を発表した阿部勇樹、退団の決まった槙野智章と宇賀神友弥への思いを語った。3人について問われた指揮官はおもむろに涙を浮かべ、「クラブとしても、監督としても、非常に難しい決断でした」と胸の内を明かした。そのあと阿部について語る際、通訳の羽生直行も声を詰まらせる場面があった。

 オンラインでも気持ちが伝わるように情熱的に語りかけるリカルド・ロドリゲス監督だが、今週発表された3人への思いについて質問を受けて語り始めると、途中から涙に声を詰まらせた。もちろん、初めてのことだった。

「クラブとしても、監督としても、非常に難しい決断でした。一人の人間として、彼らにすごく愛情を感じています。ただ、プロとしての決断を下さなければいけませんでした。

 彼らは20年、13年、10年と、長い期間、全てを出し切り、チームに喜びを与えてくれました。必要な時に彼らはいてくれました。

 1日何時間も一緒に過ごす仲間ですから、非常に大きな愛情を感じています。私は常に選手をサポートしたいと思っていますが、逆に彼らにサポートされてきました。本当に難しい決断でした。

 彼らのチームへの貢献は残るもので、彼らのこの状況を逆にモチベーションに感じています。

 1か月後、阿部が天皇杯のカップを掲げる姿を想像しながら、その気持ちをもってこれからの期間を一緒に戦っていきたいと思います。

 少し感情的になってすいませんでした」

 また、リカルド監督は大原練習場でのある日常の情景を思い浮かべていた。

「朝、練習のグラウンドに向かう時、スパイクを履いている槙野と話をして、そこへウガが加わるというのが毎日でした。その時、まだ阿部は静かですね」

 そして、このあとのエピソードを通訳する際、羽生氏も声を詰まらせた。

「ただ、例えば試合日、私はグラウンドに来てランニングをすることがあります。するとメンバー外である阿部が傍まで来てくれて、『今日の試合頑張って。必ず勝ってね!』と声を掛けてくれます。みんなにできることではありません。スペインでは見られないことです。それは彼の人間力です」

 そのように指揮官は語り、まず強豪である横浜FMにホームで勝利を収めて、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)の出場権獲得へ望みをつなぐことに意欲を示した。

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[文:塚越始]

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