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【浦和】強力FW対策は申し分なかった伊藤敦樹「そこは自分の良さを出せました」。しかし9戦未勝利に「一人ひとりのゴールの意識を噛み合わせていかなければ」

浦和の伊藤敦樹。(Photo by Pakawich Damrongkiattisak/Getty Images)

「前半から自分たちの狙い通りにはできていましたが…」

[J1 16節] 福岡 0-0 浦和/2022年5月28日17:03/ベスト電器スタジアム

 浦和レッズのMF伊藤敦樹がアビスパ福岡戦でリーグ2試合ぶりに先発起用され、この日はボランチでフル出場を果たした。

 これで7戦連続引き分けから1敗を挟み、またもドローでリーグ9試合勝ち星なし。またも引き分けた――と言える。

 ただ、相手の分析を含めた内容はまた洗練され貫かれていた。浦和は危険の芽を丁寧に摘みながら、リスクをかけて攻撃の手を90分間緩めなかった。

 シュート数は浦和12本に対し福岡3本。試合終盤には、よりプレータイムを増やそうとする浦和に対し、ホームチームは選手交代でも時間を使うなど対照的だった。

「福岡は守備が固いチーム。自分たちの自陣に相手を呼び寄せ、前重心にして、速く攻め切ろうという狙いを持っていました。ブロックを作られると相手は固いので、そういった意識はしていましたが、ゴール前への押し込んでからのクオリティのところで守り切られてしまい、相手の(守備面の)良さを最後は出させてしまう形になりました」

 伊藤は悔しそうにそう振り返った。

 守備面では伊藤の特長が非常に生きた。フアンマやルキアンといった高さとパワーも備えたより警戒度の高いセンターフォワードに対し、強度で対抗できるアレクサンダー・ショルツとともに、どちらかが真ん中で構えるという形も最後まで徹底されていた。

 伊藤も「そこは自分の良さが出たと思います。自分のところで行くか、あるいはセンターバックと声を掛け合い、相手のカウンターを潰すことはできました」と頷いていた。

 そこからファイナルサードまで、より確実にボールを運べた。伊藤もフリーになって敵陣を突き、前線をサポート。ただ、こじ開けきれなかった。

「前半から自分たちの狙い通りにはできていましたが、今日も自分を含めチャンスを決めきれませんでした。再び『たら・れば』になってしまいますが、一つゴールが決まれば状況は変わると思います。やることは変わらず、結果、ゴールの部分だけだと思います」

 その“あと一歩”について。伊藤はそれぞれの個性が噛み合うように、(限られるものの)時間をかけて徹底して擦り合わせることの大切さを強調していた。

「簡単に言えば、点を取るだけでですが、日頃の練習の中から、どんな形であれ、しっかり決めきるところが大切です。試合ではチャンスの数を増やすこと。一人ひとりゴールへの意識を持っているけれども、そこを噛み合わせていきます」

 スコアレスドロー、そして9戦勝利なし。2年目の伊藤はその現実に正面から向き合い、突破口を探していた。

[取材・文:塚越始]

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