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「このままだとW杯に呼ばない」本田圭佑を奮い立たせた岡田武史監督の一言。日本代表時代、2010年南アフリカ大会を前に

本田圭佑。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

リーダーになるために――本田へ提言も。

 カタール・ワールドカップ(W杯)の全64試合をインターネットでライブ配信している『ABEMA』はこのほど、「岡田武史×本田圭佑 特別対談@ドーハ」を公開し、今大会の日本代表の戦いぶりについて議論するとともに、二人がともに戦った2010年南アフリカW杯についての“知られざる”エピソードも語り合っている。

 ベスト16でパラグアイ代表とのPK戦で涙を飲んだ南アフリカ大会。病気で倒れたイビチャ・オシム監督に代わり就任した岡田監督のもと、大会前まで結果を残せず内容も伴わなかったチームだが、本田をセンターフォワードに、阿部勇樹をアンカーに据える布陣が大会直前にハマり、本大会ではカメルーン(〇1-0)、デンマーク(〇3-1)に勝利を収めてみせた。

 岡田氏は本田のCF起用について、「前を向いて一人で突破してほしいとは思っていなかった。周囲を生かすため、前線でボールを収めて、取られるな」と指示したことを明かした。当時の本田について、「ちょっとずつ地道に努力して成長しているヤツだなという感覚はあった」という。

 それを聞いた本田は「ちょっとずつしか進めなかったとも言えるですけれどね。いきなりもっと進みたかったんですけれど……」と少し照れた。

 また2019年9月のオランダ遠征の際、本田は岡田氏にホテルで呼ばれ、「このままだとワールドカップには呼ばないぞ、と言われましたから」と明かした。当時は右MFに中村俊輔がエースとして君臨し、左MFとして起用された本田だったが全くいいところがなかった。ただ、岡田氏は本田から「俊さんがいることは分かっています。もう一度チャンスを下さい」と言われ、そこからロシア1部CSKAモスクワでの成長ぶりを見守り、これはモノになるかもしれないと感じ、チャンスを与えようと決めたということだった。

 また岡田氏は本田に対し、「これからの時代、自分と違う考え方を認めることが大事になる。認めて、そういうものが存在すると。世界は分断し、認めない方向に進んでいる。しかし、自分と違う考え方、生き方を認めること。『一体感』というが、一体感から組織を作ると上手くいかない」と提言。本田が独自の強い主張をすることから、その自己発信を受けとめてくれる人だけでなく、いろいろな反応を受け入れることで、「リーダーになっていける」と背中を押していた。

 それぞれのテーマで、話が盛り上がったり、議論が深まったり、ちょっと意見が異なったりすることも……。それぞれの視点や世代から、とても面白い内容になっている。

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