AリーグでGK流血の襲撃事件。メルボルン・Vのサポーターが乱入し主審、選手、カメラマンに殴打。シティとのダービー中止に

サカノワスタッフ

2022年12月18日

メルボルンダービーで、ピッチに乱入するメルボルン・ビクトリーのサポーター。(Photo by Darrian Traynor/Getty Images)

クラブが声明を発表、「ファンの行為について明確に非難」「サッカー界で存在してはならない行為」

　オーストラリア・Aリーグ８節、メルボルン・シティ対メルボルン・ビクトリーの一戦が12月17日に行われ、観客がピッチに押し寄せて、主審、選手、カメラマンを襲う事件が起きた。試合はアウェーのメルボルン・ビクトリーの１点リードのまま中止となった。

　試合中、メルボルン・ビクトリーのサポーターが発煙筒をピッチに投げ込む。これをメルボルン・シティのGKトム・グローバーが後方に投げるとスタンドに入ってしまい、これに激怒したメルボルン・ビクトリーのサポーターの一部がピッチへ乱入した。

　主審や副審がグローバーを保護したが、複数人が襲撃。主審とグローバーへ金属製のバケツで襲い掛かる行為も確認された。グローバーは頭部に裂傷を負い流血。直後、主審が笛を吹いて、全員引き上げるように指示を出した。

　メルボルン・ビクトリーは試合後、「今夜、メルボルン・ビクトリー・フットボール・クラブは大きな衝撃を受けている。クラブは土曜日の夜にAAMIパークで開催されたメルボルン・シティ戦でのファンの行為について明確に非難する」と声明を発表。

　観客がピッチに入り、メルボルン・シティFCの選手、関係者、ネットワーク・テンのカメラマンを負傷させたという。クラブは「いかなる状況においても容認できず、サッカー界に存在してはならない行為」として、グローバーや主審、カメラマン、観客に謝罪。警察の調査には全面的に協力するということだ。

　試合前から「A リーグ・グランド・ファイナル」がシドニーで開催されることが決まったことを受けて、スタジアム内では抗議行動が行われていたという。

　世界中がサッカーに関心を寄せる、カタール・ワールドカップ（W杯）期間中に起きた衝撃的な事件。来年のオーストラリア・ニュージーランド共催の女子ワールドカップを控えるなか、豪州のサッカー界に様々な制裁が科されることは免れない。