【鹿島】植田直通が本気でファンのため、「流血」覚悟を誓った理由とは?
鹿島に4年半ぶりに復帰した植田直通。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
「まさかゲンくん(昌子)と同じタイミングで帰ってくるとは思ってもみませんでした」
フランス2部ニーム・オリンピックからJ1リーグの鹿島アントラーズに復帰したDF植田直通が1月15日、鹿嶋勤労文化会館で行われた2023シーズンの新体制発表会に臨みソシオ会員のサポーターの前で、“流血覚悟”の決意を示した。
ガンバ大阪から復帰した昌子源とともに植田がステージに登場すると、この日一番のオベーションで迎えられた。
「まさかゲンくん(昌子)と同じタイミングで帰ってくるとは思ってもみませんでした。皆さんビックリされたと思いますが、またこのクラブで戦えることを誇りに思います」
「このエンブレムの入ったユニフォームを着て、またプレーしたい思いがありました。皆さんとともに闘いたいです」
そのように植田は決意を示した。
サポーターからの質疑応答のコーナーでは、「サポーターから掛けてほしい言葉、キャッチコピーになるような一言はありますか?」という質問を受けた。
「すごく難しいですね」と植田は少し考えたあと、「僕が前(2013年から18年7月まで)に在籍した時も、(植田を応援するゲートフラッグを見かけると)すごく頑張れる気持ちになれました。選手として、嬉しいです」と語り、そして「好きな言葉ですね……うーん、皆さんから『もっと血を流せ』と言ってもらいたいです」と答えた。
これには会場から笑いのあと大きな拍手が送られていた。
またこの発表会のあとのメディア取材で、4年半ぶりに鹿島のユニフォームに袖をとおした植田はこうしたファン・サポーターと接する機会が得られたことを素直に喜んでいた。
「皆さんの前でユニフォームを着て披露できたので、こうした形はいいなと思いました。かなり制限がかかっていて、日本ではファンサービスをなかなかできずにいます。もうちょっとファン・サポーターの方たちと交流できる場ができればと思っていました。こうした機会を増やしていきたいです」
今回サポーターを迎えて行われた新体制発表会を、植田はそのように契りをかわせる場として喜んでいた。
また、同日の必勝祈願では、選手一同が書き込む絵馬に「鬼迫」と書き込んだ。植田が鹿島神宮で変わらず書いてきた二文字だという。
「そういったプレーが僕は求められています。そのプレーを出していければ、チームに伝わっていくのではないかと思います」
一度外に出たことで鹿島の良さについて別角度から気付けたこともある。そこを、より引き出す役割も期待される。
その言葉の端々から、鹿島のため、ファンとサポーターのため、という思いが滲んでいて、それを来場した約500人も感じ取っていた。日本代表復帰をも十分狙える28歳になったファイターが鹿島アントラーズのため、汗も血も流す覚悟だ。