【ロシアW杯】日本人DF人気の理由を裏付ける「クリア成功率1位」
コロンビア戦で勝利を収めて喜ぶ日本代表の守備陣。写真:新井賢一/(C)Kenichi ARAI
100本以上クリアをしたチームの中でトップ。植田をはじめ「売り手市場」は続く?
日本代表のDF陣のキック技術はワールドクラスにあると言えるかもしれない――。FIFA(国際サッカー連盟)集計のワールドカップ(W杯)・ロシア大会のクリアの成功率を調べたところ、キック成功数100本以上のチームの中で、13日現在、日本が1位の82.79パーセントを記録している。
1試合平均成功数の25.25本は、ロシア(28.8本)、スウェーデン(27.4本)に次いで3位。
強豪相手に攻め込まれながらも、DF陣やボランチを中心にマイボールにしたあと、しっかり次へ展開できていたことを示すデータと言える。もちろん、コロンビア戦で開始早々に数的優位に立てたことで、比較的マークが緩くなったことで前線につなぎやすくなっていたた点も考慮したい。
ただ、コンサドーレ札幌を率いるオーストリアとセルビアの国籍を持つミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、日本人DFの他国にない特長として、クレバーさや技術の高さを挙げている。このロシアW杯では、そんな日本人選手の「武器」を示せたと言えるのではないだろうか。
一方、スペインは総クリア数36本、成功数28本(成功率77パーセント)と、そもそもクリア数が少なく地上戦を徹底していた。DFのテクニックで言えば、まだまだレベルの高い選手も、チームも数多い。それでも、どんな状況に置かれても、耐えながら技術を発揮する――という日本の戦い方(スタイルと言えるか)を示せたのは、今大会の大きな収穫の一つに挙げられそうだ。
そういった「メンタリティ+技術」は、海外からも評価されている。出場機会を得られなかったものの植田直通がベルギーのセルクル・ブルージュに移籍が決定。昌子源にはフランス1部のストラスブールが関心を示していると、現地新聞が報じている。さらにA代表選出経験はないものの柏レイソルのサイドバック小池龍太にもドイツの複数クラブが注目していると、専門誌『キッカー』は伝えている。
昌子以外は、吉田麻也(サウサンプトン)、長友佑都(ガラタサライ)、酒井宏樹(マルセイユ)と、いずれも今大会の日本代表のレギュラーは欧州組だ。槙野智章もケルンでプレーしていた。ロシアでの躍進により、海外の移籍市場では、しばらく日本人DFの「売り手市場」が続くかもしれない。
◇ロシアW杯 クリア成功率ランキング◇
●7月13日現在 ※成功数100本以上が対象
順位 国名 成功率(成功数/本数)
1 日本 82.79(101/122)
2 クロアチア 81.81(144/176)
2 ロシア 81.81(144/176)
4 スウェーデン 77.40(137/177)
5 イングランド 76.92(100/130)
6 フランス 73.93(137/165)