【鹿島】岩政監督が浦和戦の“重み”、そして興梠慎三を語る「ビッグゲーム。結果によりステージが変わる」「ともに修羅場を潜り抜けてきた同志」
浦和戦の前日練習を見守る鹿島の岩政監督。(C)KASHIMA ANTLERS
潮目が変わる埼スタの一戦、「完全チャレンジャーとして挑む」。
[J1 16節] 浦和 – 鹿島/2023年6月4日17:00/埼玉スタジアム
J1リーグ鹿島アントラーズの岩政大樹監督が6月3日、オンラインによる定例の記者会見に応じて、翌日の浦和レッズ戦に向けて抱負を語った。
5連勝のあと2連続引き分けの鹿島は勝点24(現在7勝3分5敗)の7位で、対する浦和は3ポイント差の4位。アウェーで勝利を収め、再び勢いを得たいところだ。
岩政監督は浦和戦に向けて、「完全チャレンジャー」として挑むと強調した。
「経験ある選手が引っ張り若手が伸びてきていて、アジアチャンピオンになり、ここ数年間、積み上げてきたクラブの取り組みが実を結んできていると感じます。自分たちは完全チャレンジャーとして臨まなければいけないと思います」
「(最近の浦和の印象について)上手くいかない展開でも経験ある選手が方向性、メンタリティを示して引っ張り、勝ちに持っていくところに非常に強さを感じます。埼玉スタジアムのあの空気に飲まれないように、自分たちの絵を合わせながら攻守ともにやらなければいけないと感じています」
そして指揮官は選手たちがここで結果を残すことによって、新たなステージが待っていると期待する。
「特にこうしたビッグゲームは、ここを乗り越えられる男かどうかで、ビッグクラブでプレーできる選手かが試されます。それはみんな分かっていると思います」
「埼玉スタジアムの雰囲気はいつも素晴らしく、あの圧力の中でプレーできるのを僕は好きでした。結果によって自分たちのステージが変わっていく経験もしました。今回もそうした試合になると願っています」
岩政監督が印象に残っている浦和とのアウェーゲームに挙げたのが、2007年11月24日、鹿島が1-0で勝利を収めた一戦だ。
「レッズがACLを獲ったあと埼スタへ乗り込み、僕たちは退場者を出しながら1-0で勝ちました。それまでの数年間、レッズとガンバがリーグを席巻していて、そこで潮目が変わり、自分たちが3連覇できました。今のタイミングも、レッズがACLを獲ったあとで、何か因縁のようなものを感じます」
また、浦和のエースストライカーである36歳の興梠慎三は、岩政監督とは鹿島でチームメイトとしてプレーしている。興梠はこの一戦に向けて、「岩政さんには、埼スタで喜ばせたくない」とも語っていた。
岩政監督は興梠について問われると、少し熱い思いを語った。
「今でこそ『浦和の男』という顔をしていますが、元々は『鹿島の男』ですからね。ともに修羅場を潜り抜けて、リーグ3連覇を成し遂げた同志です。今でも特別な感情はあります。それは彼も同じではないでしょうか。鹿島サポーターの中には、嫌な思いをしている人もいるかもしれません。ただ僕たちからすると、いつまでも変わらない同志という感じです」
そして指揮官は次のように、今回の対戦での興梠を警戒した。
「今季はかなりコンディションが良く、パフォーマンスを戻していると感じます。もともと天然で持っている体の動かし方が素晴らしく、今年は体のケアに気を付けながら、キャリアの終盤にひと花咲かせるところにモチベーションを持ってやっていると感じます。チームをよく引っ張ってやっていますので、非常に怖い存在だと思っています」
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監督として埼スタに乗り込む一戦。岩政監督は鹿島の選手たちが興梠を封じ、そして勝利を収めて――ブレイクスルーを果たす瞬間を、心待ちにしている。