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松本サポーターは複雑な心境…前田直輝の低迷する名古屋への完全移籍

松本から名古屋に移籍した前田直輝。(C)SAKANOWA

3年ぶり復帰し、最近はスタメンに。高額の違約金がクラブに入るというが…。

 MF前田直輝が7月19日、松本山雅FCから名古屋グランパスに完全移籍した。両クラブが発表し、前田直は同日に名古屋へ合流している。

 松本では最近7試合連続スタメン出場中で20節から3試合連続ゴールを決め、チームも3連勝を収めた。今季、反町康治監督はバランスを崩さず攻撃に比重を置くチーム作りに着手し、そのなかで前田直は武器のテクニカルなドリブルに加えハードワークでも貢献。徐々にフィットしてきていていた。

 J1時代の2015年以来の松本への復帰となった前田直は、J1昇格への人一倍強い想いを語っていた。それだけに松本のサポーターはSNSで、「あの発言はなんだったんだ」「プロ選手なので移籍はつきもの、と割り切らなきゃいけないんだろうけど、正直割り切れない」「自分の発言には責任持とうぜ」「前田直輝を口だけと言う人がいるが、果たしてそうなのか。1度きりのサッカー人生今より上のカテゴリーで出来るチャンスがあるならチャレンジしたくなるしょ」など、複雑な心境を記している。

 J2の暫定首位のチームの中心選手が、J1最下位にシーズン途中で移籍するのは異例と言える。クラブは前田直を横浜F・マリノスから獲得したとき以上の違約金(移籍金)を獲得できたと言われる。

 とはいえ今季、J1昇格へのポイントとなる”J1主力級”の実績のある戦力で獲得できたのは前田直ぐらい。そのタレントをスタメンか切り札にいるのは、他チームにとって小さくない脅威だった。

 果たして、前田直が残ってJ1昇格できた場合の収益と、彼をこのタイミングで失って万が一昇格できなかったときの損失など、クラブは算段できているのかはやや首をひねるところではある。もちろん、そういった金銭面以外のところで背景に何かしらがあるのかもしれない。また、名古屋は長い間、前田直をリサーチしてきたそうで、相当に強いラブコールが送られてきたようだ。

 いずれにせよ、松本にとっては戦力ダウンだ。しかもパウリーニョも全治3か月の重傷を負ってしまった。夏の移籍ウインドウは8月17日まで開いている。チーム全体でその穴を埋めていくのか。それとも……彼らと遜色ないレベルのタレントを獲得することができるか。新戦力を加える場合は、前田直以上のインパクトを与えるタレントが欲しいところだ。

文:サカノワ編集グループ

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