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「W杯を狙っていたから」内田篤人が明かした自身の現在地とこれから

鹿島アントラーズの内田篤人。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

大岩剛監督と今後の起用法について話し合った結果――。 

[J1 17節] 鹿島 6-2 柏/2018年7月22日/県立カシマサッカースタジアム

 鹿島アントラーズのDF内田篤人が6-2と快勝を収めた柏レイソル戦で、後半途中から右サイドバックのポジションに入り26分間プレーした。7月11日の天皇杯3回戦のFC町田ゼルビア戦(〇5-1)でフル出場を果たしていたが、リーグ戦は5月2日のV・ファーレン長崎戦(〇2-0)以来4試合ぶり。ほぼ2か月半ぶりの登場で、ワールドカップ(W杯)ロシア大会中断明けのチーム最初の勝利に貢献した。

 チームの攻撃面に手応えを得ていた内田だが、自身のコンディションとパフォーマンスについても率直な思いを語ってくれた。

「(ワールドカップ中断前の)前半戦はケガをしてしまったのもあった。どうしても、肉離れが多くて。ここからの後半戦は(大岩剛)監督とも話し合いをして、ある程度、『様子を見ながら』やっていこうと」

 そして内田は「ワールドカップ」に触れた。

「ワールドカップを狙っていたので。自分からも『行けます』と言って、行きました。けれど、ここからは様子を見ながら、やっていきます」

 今回の柏戦、相手との競り合いで体を投げ出した際、めくれあがったユニフォームの下、左太ももの付け根に水色の(特殊な?)サポーターで固定しているのが分かった。強烈なコンタクトに少し大丈夫か気にした感じの内田だったが、痛みなど感じさせず颯爽と立ち上がってプレーに戻っていった。

 やはり……ワールドカップの日本代表に選ばれるという一縷の望みに懸けて、自分自身と周囲の期待に応えようと開幕から飛ばしていたのだろう。少し無理をしていた、とも、むしろ得難い後押しを受けて、信じられないような力が引き出されていた、とも捉えることができる。中断期間までリーグ6試合の出場を重ね、そしてワールドカップを挟み、この日また新たな一歩を踏み出したと言えた。

「ちゃんとこうやって使ってもらえることは有難いので、時間は短かくなったけれども……ここからだんだん多くなるように。自分自身もここからもっと伸びていけると思うので、頑張っていきますよ」

 西大伍、安西幸輝、山本脩斗、伊東幸敏、小田逸稀……鹿島のサイドバックには、特長の異なる個性派が揃う。その中で周囲の良さを引き出しながら自らも生きる――そろそろ後輩たちに追い抜かすぐらいのプレーもどこかで期待しているのかもしれない――植田直通、ペドロ・ジュニオールに続き、エースの金崎夢生も移籍していった激動の夏、内田が勝利のため、鹿島のために、右サイドを駆け抜ける。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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