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清水MF乾貴士の激昂、元国際審判が課題と本音。なだめる選手が入るとイエローカードは出しにくい

乾貴士。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

一方、今季はJFA審判委員会が「異議に対して毅然とした態度をとる」と強調していただけに――。

[J2 31節] 清水 3-2 町田/2023年8月19日18:03/IAIスタジアム日本平

 J2リーグ注目の上位対決、清水エスパルスが劇的な展開で首位・FC町田ゼルビアを3-2の逆転勝利を収めた一戦、38分、元日本代表MF乾貴士がSPAでイエローカードを受けたあと主審に対して約1分間にわたって猛抗議をした。しかし、主審からイエローカードは追加されなかった。

 このシーンが、DAZNの「Jリーグジャッジリプレイ」で取り上げられ、元国際レフェリーの家本政明氏が心理を含めて詳しく解説。まず、ファウル自体は「ホールディングについて、記載があるわけではありませんが、程度で決まるわけではありません」として、主審のジャッジ通り、SPA(Stopping a Promising Attack、大きなチャンスの妨害)によるイエローカードが妥当だっただろうと見解を示した。

 すると、そのあと乾が約1分間、主審へ猛抗議を続けた。清水が0-2とリードされていた展開で、ロシア・ワールドカップ日本代表にも選ばれたアタッカーはフラストレーションを溜めていた状況だ。主審は乾に耳を傾けるものの議論はせず。ただ、その態度に乾がさらに怒りを増幅させていった。

 家本氏は「(主審の対応は)選択肢の一つとしてあると思います。しかし今季、日本サッカー協会審判委員会は、選手からの異議に対し、毅然とした態度を取りましょうと明確にメッセージを発信しています。そうした点からは議論の余地があり、もう少しやり方があったと思います(結果的に試合が1分間も中断されている)」と説明した。

 また、乾の怒りが収まらないなか、清水の選手が間に割って入って事態を収束させた。家本氏は「その絵を作られると、そこから主審はイエローカードを出しにくくはなります」と主審の心理を語った。選手が早い段階でなだめることもチームの戦い方として重要になると“アドバイス”していた。

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 そして、よく耳にする「次やったら2枚目のイエローカードを出しますよ」と、主審が選手へ「注意」することについて。家本氏は「それは嫌いです。選手からすると、挑発、脅迫になるのではないでしょうか。テクニックとしてやる主審はいます。ただ僕はやりませんでした」と明かした。また、異議の内容は画面を通じては分からないため、簡単にカードが出ることもあれば、主審が耐えている、あるいは耳を貸さずにいる……などいろいろなケースがあるそうだ。