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Jリーグ史に残るボーンヘッド。浦和のスコルジャ監督は言葉を濁す「それまでのハードワークが…」。GK西川周作の独断攻撃参加失敗、神戸FW大迫勇也が決勝弾

浦和のスコルジャ監督。(C)SAKANOWA

指揮官が心に負った傷は深く、クラブとしての対応も必要に。

[J1 32節]浦和 1–2 神戸/2023年11月12日15:00/埼玉スタジアム2002

 J1リーグ32節の浦和レッズ – ヴィッセル神戸戦、1-1で迎えた後半アディショナルタイムの90+6分にまさかの出来事は起きた。GK西川周作がゴール前へ攻撃参加したが失敗……。中島翔哉のキックをキャッチしたGK前川黛也のフィードから大迫勇也による無人のゴールへのシュートで決勝点を決められた。

「僕の判断」と西川は独断で決断したプレーだったと説明した。その場面を見守っていた浦和のマチェイ・スコルジャ監督は手を広げて、なぜだ? 何が起きているんだ!? と見守るなかで、その得点が決まった。

 スコルジャ監督は試合後の記者会見で、この西川のプレーについて問われると(質問が「チーム全体としてのプランだったのか」というやや漠然としたものだった)、西川を非難するような言葉を一切発さなかった。

「この試合でどうしても勝ちたいという、強い気持ちが表れたシチュエーションでした。この大事な試合、どうしても勝ちたいという強い気持ちが全員にあったなか、かなり大きなリスクを冒しながら前線に上がったという場面でした」

 そのようにスコルジャ監督は状況だけを説明した。また冒頭でも「アディショナルタイムに(1-1に)追いつき、さらに2点目を狙い、その中でかなり大きなリスクを冒して攻めたところで失点してしまいました。そこまでの選手たちのハードワークを考えると、かなり受け入れ難い結果になってしまいました」とも触れていた。いずれも、西川の名前は出さなかった。今年30周年を迎えたJリーグ史上に残ると言える”ボーンヘッド”に。

 何よりピッチ上での「規律」を重視してきた就任1年目のポーランド人指揮官が、西川とも培ってきたはずだった「信頼」をこの大事な局面で砕かれ、裏切られる形になった。それはサッカー監督としてだけでなく、一人の人間としても言葉に表せないほど辛く、心に深い傷を負ったはずだ。

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 逆転優勝するためにはあと1点が必ず必要だったと決断した西川の気持ちを理解しつつも、クラブとして早急に、何かしらの対応が必要かもしれない。

Posted by 塚越始

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