【浦和1-2神戸】オフサイド見逃しの誤審、副審の「勘違い」「思い込み」が原因か。西川周作の攻撃参加失敗、大迫勇也が決勝ゴールを決めたが…
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GKが自陣に不在、オフサイドラインは「ハーフウェーライン」だったが…。
[J1 32節]浦和 1–2 神戸/2023年11月12日15:00/埼玉スタジアム2002
J1リーグ32節の浦和レッズ – ヴィッセル神戸戦、1-1で迎えた90+6分にGK西川周作がゴール前へ攻撃参加したが失敗。中島翔哉のフリーキックをキャッチしたGK前川黛也のフィードから大迫勇が無人のゴールへシュートを決めて、これが決勝点となった。しかし、SNSではスタンド上部からこのシーンを捉えた映像が拡散され、大迫が明らかにオフサイドポジションにいたことで物議を醸している。
オフサイドはゴール前での「待ち伏せ」を禁止するファウル。本来はGKの前にいるのを想定したものだが、今回のようなレアケースでは、ややルールが複雑になる。
味方がキックした瞬間、競技規則では「頭、胴体もしくは足の一部でも、相手競技者のハーフ内にある」「競技者の頭、胴体もしくは足の一部でも、ボールおよび後方から2人目の相手競技者より相手競技者のゴールラインに近い位置にある」で、オフサイドの反則になると規定されている。
今回は西川がゴール前へ攻めていて、自陣には不在。そのため浦和の「二人目」の選手がオフサイドラインになる。ただその「二人目」は神戸陣内に入っている。そのためオフサイドラインは、ハーフウェーラインになる。
大迫は、浦和陣内の最後尾にいる大畑歩夢を視野に入れつつ、体の一部も敵陣に入れたまま、このフィードを受けていた。一旦ライン内に足を戻ているが、上半身は敵陣に入っている。
しかし、このオフサイドポジションをチェックするカメラはなかった。また、そもそも試合中のピッチの動画撮影は禁止行為であり、現在拡散されている映像も「証拠」にはならないことになる。
ただし、そのピッチ全体を俯瞰した映像を見る限り、副審は当初大迫の位置をチェックしていたが、前川がキックする際、大畑のポジションを追っているようである。副審も体力と神経を使い続けてある意味限界に達していた90+6分、GKがいるものと「勘違い」「思い込み」をして、また普段の感覚で「最後尾にいるフィールド選手につく」ことに反応し、大畑がオフサイドラインだと(GKの前にいるものとして)追っていた可能性が高い。
西川の攻撃参加→前川のキャッチからのフィード→大迫の冷静なトラップからのシュート――
いくつもの「まさか」の出来事が連なり、さらにVARもゴール前に重点を置いているため、こうしたシチュエーションではカメラで確認できないというテクノロジーの判断も追い付けなかった大迫のハンパない一撃となった。
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2位の横浜F・マリノスと勝点2差をつける神戸は、11月25日の33節・ホーム最終戦で名古屋グランパス、12月3日の最終34節でガンバ大阪とアウェーで対戦する。
次節横浜FMが負けて神戸が勝つと、初のリーグ優勝が決まる。