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日本代表でも浦和の伊藤敦樹、鹿島の佐野海舟など影響。トゥヘル監督が国際マッチ明け金曜日開催に苦言「選手のメリットが全くない」

バイエルンのトゥヘル監督。(C)SAKANOWA

ファンにとっても得にならず。

 ドイツ・ブンデスリーガ1部バイエルン・ミュンヘンのトーマス・トゥヘル監督が11月23日、翌日のアウェーでの1FC.ケルン戦に向けた記者会見に臨み、インターナショナルマッチウィーク明けの金曜日にリーグ戦が組まれることについて「選手にとってメリットが全くない」と苦言を呈した。

 翌週にミッドウィークにUEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)などカップ戦が組まれる兼ね合いもある。ただ本来は各国の週末のリーグ戦がまず軸にあり、その日程を前提に平日にカップ戦も組まれていったはずだった。ところが多チャンネル化やインターネット配信も主流になりつつあるなか、金曜日に組まれる試合も増加。

 そうした傾向に、トゥヘル監督は厳しく問題点を指摘した。

 ほぼ全員が代表選手であるバイエルンは韓国代表DFキム・ミンジェら全員揃うのが試合前日に。しかも今回はアウェーゲームである。

「非常に、非常に、残念な任務だ。監督としてこんなことを言えば、また言い訳に使われるだろう。しかし違います。ユルゲン・クロップは土曜日の昼にマンチェスター・シティと対戦するとも言っています」

 つまりドイツだけではなく、サッカー界全体の問題だと指摘しているのだ。

「チャンピオンズリーグや代表チームでプレーするトップ選手たちは疲れています。精神的な疲労、感情的な疲労、肉体的な疲労……疲労困憊なのです。試合の時間だけを見ているわけではありません。彼らはバスや飛行機でホテルまで何時間も移動しています。それがストレスになり、時差もあります。選手たちはその全てに対応することが求められます。このような遠征直後に最大値のパフォーマンスを発揮するのは不可能です」

 トゥヘル監督はトップ選手のあらゆる状態が全く考慮されずにいるこの乱暴な日程に、明確に釘を刺す。

「選手のメリットは全くありません。選手のためにならないのであれば、試合の意味も失われます」

 ある意味、ドイツ王者の指揮官は至極全うなことを言っている。

 日本でも、9月15日金曜日に浦和レッズ対京都サンガF.C.戦(△0-0)が組まれ、13日まで日本代表の欧州遠征に臨んだ浦和の伊藤敦樹はベンチスタートを余儀なくされた(後半から出場)。

 また今日11月24日金曜日には川崎フロンターレ対鹿島アントラーズが組まれる。今回日本時間22日午前2時頃まで行われたサウジアラビア遠征から帰国した日本代表の佐野海舟も厳しい日程で臨むことになる。

 今後への招集にも影響しかねないため、選手やクラブからリーグ戦の日程面への不満は聞かれない。メリットもあれば、デメリットもあるとも言える。

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 とはいえ本来、Jリーグが売り出さなければいけない日本代表のタレントが、金曜開催のスケジュールにより、先発を回避したり、明らかにコンディション的に無理を強いられたりすることに。代表戦明けで選手・チーム・リーグの注目度を上げるチャンスであるにもかかわらず、プラスの効果を生み出せずにいるのは間違いなく課題の一つと言える。

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