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【鹿島】吉岡宗重FD「成長したポポヴィッチを見てもらいたい」。大分時代から知る監督招へいの背景を語る

ポポヴィッチ監督招へいの理由などを語った鹿島の吉岡宗重FD。(C)SAKANOWA

今季率いてきたセルビアで高い評価を受ける、一方、鹿島で戦うため「腹を割って話し合ってきた」。

 J1リーグ鹿島アントラーズは12月21日、2024シーズンの新監督に、セルビア1部FKヴォイヴォディナ・ノヴィサドを今季率いていたランコ・ポポヴィッチ(Ranko POPOVIC)氏が就任すると発表した。また、塚田貴志(Takashi TSUKADA)氏が通訳、ラン・ミリッチ(MILAN MIRIC)氏と中後雅喜(Masaki CHUGO)氏がコーチに就任する。ポポヴィッチ監督にとって、21日のアウェーでのFKヴォジュドヴァツ戦がセルビアでのラストマッチになる。

 鹿島の吉岡宗重フットボールダイレクター(FD)はこの発表直後、オンラインによる取材に応じて、ポポヴィッチ氏招へいの理由などを説明した。

 岩政大樹前監督のもと守備の構築を図れたものの攻撃の形を作れず、ポポヴィッチ氏はそのアタッキングの面の課題を解決できる明確なスタイルを持っている点を評価。吉岡FDは「チームの方向性を示せる。今の鹿島アントラーズにマッチすると招へいしました」と語った。他に複数の候補がいると報じられてきたものの、鹿島としては早い段階で一本化し、すでに12月上旬には話し合いがスタートしていたということだ。

 また、今季率いたヴォイヴォディナにダイナミックなサッカーをもたらし、セルビアリーグでも高い評価を受ける(現在5位)。大分トリニータの強化時代にポポヴィッチ氏を招へいしている吉岡FDは「成長したポポヴィッチを見てもらえる」と語った。

「選手へのアプローチの面では、腹を割って話をしました。彼は非常に強い監督、厳しい監督でもあります。ただ、アプローチの仕方を含めて、鹿島、日本にアジャストさせていかなければいけないと議論してきました。指導など日本でやっていくなかでの課題感を見つめ直しています。成長したポポヴィッチを見てもらえると思います」

 また吉岡FDはクラブを通じても、次のように招へいの意図を語っている。

「今回、鹿島アントラーズの新たな監督にランコ ポポヴィッチ氏を招へいすることとなりました。 新監督を決めるに際しては、今シーズン含めて近年の課題だった攻撃面のアップデート、そして、組織的に攻撃を組み立てることを重要視し、 リストアップを進めてきました。

 ポポヴィッチ氏はアグレッシブかつ組織的なフットボールスタイルが強みで、短い時間での戦術落とし込みに長け、 アントラーズの新監督に適任と考えております。

 ここ数年、タイトルを獲得できていない事実は非常に重く、監督交代が続いている状況も含めて、 強化のトップとして強い責任を感じています。タイトル獲得はクラブの揺るぎない目標であり、来シーズン以降も変わりはありません。 新監督をしっかりと支え、選手たちが最大限の力を発揮するというアントラーズ伝統の強みを忘れず、優勝に向けて一丸となって戦ってまいります」

 同じくポポヴィッチ新監督もクラブを通じて、次のように決意を示している。

「鹿島アントラーズという偉大なクラブからオファーをいただき、心の底から嬉しく思いますし、非常に光栄です。今シーズンはヴォイヴォディナで素晴らしい時間をクラブ、選手たちと過ごしており、他のクラブに行くことは 正直考えられませんでしたが、このオファーを受ける決断をしました。アントラーズという偉大なクラブで仕事ができることが、 私にとってこの決断をした一番大きな理由です。 ヴォイヴォディナの会長、強化部長、選手たち、チームにかかわるすべての方々に対し、私の決断を尊重してくれたことに 心から感謝しています。 アントラーズサポーターの皆さん、スタジアムに足を運びたいと思ってもらえるような、魅力あふれるエネルギッシュなチームを、 フットボールを見せたいと思います!一緒に戦いましょう!」

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 監督交代を繰り返してきた鹿島だが、大きな勝負に出るシーズンになる。ポポヴィッチ新監督は1月上旬の始動に合わせて来日する予定だ。

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