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【日本代表】森保監督が答えたアジアカップの戦術的指摘。三度繰り返された「コンセプト」のその先は?

日本代表の森保一監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

細部はピッチに送り出した選手たち次第になっている感が否めず。

 約1か月にわたって繰り広げられてきたカタール・アジアカップはあと、初優勝を目指すヨルダンと連覇のかかる開催国カタールによる決勝を残すのみとなった。サッカー日本代表を破ったイラクはラウンド16でヨルダンに、イランは準決勝でカタールにそれぞれ敗れた。

 ヨーロッパでプレーする選手がほとんどを占める陣容で臨んだ日本代表だが、ベスト8で姿を消した。その敗因を紐解くうえで重要なトピックが、イラン戦の28分に先制点をあげたMF守田英正が、森保一監督の采配を含めたベンチワークに対して「もっといろいろと提示してほしい」と言及した件だ。

 日本が1点リードして折り返した一戦は、体格差を生かそうとロングボールを多用してきたイランが優位性を保ち続け、日本はそこから挽回できなかった。

 羽田空港に帰国した4日夜、その守田の発言を問われた森保監督はこう語った。

「チームの基本的なコンセプトと、対戦相手との噛み合わせのなかでのコンセプトを選手に伝えているところはありますし、それぞれの試合では必ず意図を持って入っています。ただ、全ての起こり得る局面を全部細かく伝えることができるかと言うと、いろいろな局面がサッカーのなかで起こりますし、一回として同じ局面はないと思っています

 ただ、イラクとのグループステージ第2戦でも、ロングボール戦法の前にペースを握られた。同じ轍を踏んでしまった末の敗退を、指揮官はどのように受け止めているのか。

「チーム活動のなかで、全ての局面に対応できるように少しずつコンセプトは積み上げてきたと思いますが、イラン戦では上手く局面を打開できるだけのコンセプトの共有ができていなかった、というところはあったかなと思います。それはこの経験が一つの積み上げになって、次のチーム力につながっていくのかなと思っています」

 森保監督が初陣に臨んだのは2018年9月、時間の限られる代表活動において「いい守備から、いい攻撃へ」というコンセプトこそ掲げられている。しかし、そこから先の細部は、ピッチに送り出した選手たち次第となっている感は否めない。

 森保監督は続けた。

「裏を取られていた点に関しては、守備陣が対応するところもそうですが、ロングボールを出させないために前線からの守備をどうするのか、といった点や、その前に攻撃を完結させてシュートで終わった場合にはそういう局面が起こらないかもしれません」

 そして逆転された直後、浅野拓磨と細谷真大を投入した采配について、森保監督はこう振り返る。

「相手も交代のカードを切っていなかったなか、延長戦に入ってパワーを上げてくる戦い方をしてくると思っていました。なので、例えるならば後出しじゃんけんをして勝っていこう、という思いもあって、そのあたりの見極めが自分のなかでちょっと上手くいかないまま、結果として自分たちが手を打つ前に試合が終わってしまいました」

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 3月には国立競技場とアウェーで、北朝鮮代表との北中米ワールドカップ・アジア2次予選の連戦が待つ。森保監督は今後へ「チーム戦術と個人の対応力の両輪で、局面を打開できるチーム作りをしていく」と前を向いた。

取材・文/藤江直人

Posted by 藤江直人

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