【浦和】前田直輝が手応えを得る“求められるプレー”と“できるプレー”の一致「自分のストロングポイントを出しやすい」
浦和の前田直輝。写真:石橋俊治/(C)Toshiharu ISHIBASHI
ポジションを争うソルバッケンと切磋琢磨し合い、レッズ全体の攻撃力を高める。
J1リーグの名古屋グランパスから浦和レッズへ完全移籍で加入した前田直輝が、得点力アップが課題となるチームのキーパーソンになりそうだ。
“浦和出身”ということでも期待を集める前田は、沖縄合宿最終日となった2月6日のサガン鳥栖とのトレーニングマッチ(45 分×3本、7-1勝利)で右ウイングに起用され、1本目の6分に先制点を決めるなどアピール。大原サッカー場に戻っての9日の公開練習では、ドリブル、クロス、シュートとそれぞれ特長を発揮していた。
前田は「仕掛けられる場面が多いので、自分のストロングポイントを出しやすい。その分、結果を残していきたいです。ウイングは勝ち負けを左右する大事なポジションなので、強い(結果への)こだわりはあります」と頷く。「求められるプレー」と「できるプレー」が一致していることに手応えを得ながら、開幕に向けて調子を上げている。
前田がハマれば、自身キャリア初となる1シーズン二けたゴールも夢ではないはずだ。
「選手層の厚い浦和で自分がどれだけ殴りこめるか、じゃないですけど、新しい気持ちで加入して、日々、充実しています」
そのように“パンチ”の効いたプレーを見せようと意気込む。
今年30歳になるアタッカーは1月14日の新体制発表会で、「僕は浦和出身。本当に小さい頃から本物の浦和の男たち、先輩を見てきたので、その浦和の男に近づけるよう精一杯、頑張ります」「小さい頃、エメルソン選手が大好きだったので浦和レッズを身近に感じていました」と語っていた。
東京ヴェルディ、松本山雅FC、横浜F・マリノス、名古屋、ユトレヒトでプレーし、プロキャリア6つ目のクラブは、生まれ育った街の浦和に決めた。
前田の武器は力強い縦に貫けるドリブル突破からのシュート、ゴールに直結する良質なクロス。浦和の課題である得点力不足を解消することが求められての獲得であるのは言うまでもない。
ペア=マティアス・ヘグモ新監督はウイングに求めるプレーとして、「ボールを奪いまだ相手の守備が整っていない時、オープンな状態で速攻を仕掛けられることが大事。前線のウイングが高いポジションをとることで、裏のスペースを狙えます。またサイドチェンジの時、1対1で仕掛けもらいたい」とリクエストしていた。
まさに前田と合致する。
ポジション争いのライバルは、イタリア・セリエAのASローマから期限付き移籍で加入した25歳のノルウェー代表FWオラ・ソルバッケンだ。切磋琢磨し合いながら、レッズ全体の攻撃力を研ぎ澄ませていく。
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「皆さんに認めてもらえるように頑張りたいです」
開幕まであと約2週間に迫ったJリーグ開幕を見据え、前田が燃えている。
取材・文/佐藤亮太