イニエスタと遠藤保仁の違いは? ヴィッセル神戸デビュー長沢駿の答えは…
神戸でのデビュー戦。長沢駿がイニエスタのキックをヘッドでつなぎ、三田の先制点をもたらした。(C)SAKANOWA
ロブパスにヘッドで競り勝ち三田啓貴の先制点をアシスト!しかしシュート0本を悔やむ…。
[J1 23節] 湘南 0-2 神戸/2018年8月19日/Shonan BMWスタジアム平塚
ガンバ大阪からヴィッセル神戸に移籍した長沢駿が8月19日の湘南ベルマーレ戦で新天地デビューを果たし、さっそく持ち味の高さを生かしてヘディングで競り勝ち三田啓貴の先制点をもたらした。
まだ合流間もないが、吉田孝行監督は4-1-2-3の最前線のセンターフォワードに長沢を抜擢した。背番号「50」をつけた大砲はその起用に応えて、前線からのプレスを怠らず、体を張って起点になろうとした。
アンドレス・イニエスタからは「もっと後方にそらせ」と指示を受けるなど、手探りの初陣となった。そのなかで、37分、ルーカス・ポドルスキの横パスを受けたイニエスタがロブパスを放つ。長沢は持ち味の高さを生かしてジャンプヘッドで相手DFに競り勝って折り返し、そのボールを受けた三田がDFふたりをかわし左足のシュートを叩き込んだ。
いきなりイニエスタ―長沢のホットラインが開通したのだ。
さらに76分、郷家友太の待望のJ初ゴールも生まれ、神戸が2-0の快勝。フル出場を果たした長沢は次のように振り返った。
「非常にやりやすかったです。ボールを受けたときのサポートがめちゃくちゃ早かった。自分が頑張るというより、味方が頑張ってサポートしてくれていました。苦しい時間もたくさんありましたが、後ろがしっかり耐えてくれて、安定感を持ってやってくれていました。ただ正直、自分自身のシュートが1本もなかったことは話にならない」
そのように勝点3獲得を喜ぶ一方、シュートを放てなかったことを反省点に挙げていた。
また、G大阪での”日本屈指の司令塔”である遠藤保仁と”世界屈指の司令塔”イニエスタとの比較を聞かれた長沢は、少し考えて次のように答えた。
「ヤットさん(遠藤)は一つ後ろのポジションなので、言ったらイニエスタというよりシャビのポジションの選手。特にどうとは僕からは言えないが……二人ともすごい選手。その二人と一緒にやれたことは財産になります。経験を活かして、サッカー人生にプラスにしていきたいです」
29歳の長沢だが、神戸でどのように進化を遂げていくのか。とても楽しみになる”デビュー戦”となった。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI