「何でこんなことが起きるんだ!」横浜FM大激怒! 主審が交代手続きを待たず試合再開、数的不利で失点。名古屋に敗れる
横浜FMのハリー・キューウェル監督。(C)SAKANOWA
タイトル争いにも影響する審判団の連係不足か。
[J1 5節] 名古屋 2-1 横浜FM/2024年3月30日16:03KO 豊田スタジアム
J1リーグ5節、名古屋グランパスが2-1で横浜F・マリノスに逆転勝利を収めた一戦、審判団の選手交代を巡る対応が、結果的に重大なターニングポイントとなってしまった。
永戸勝也のゴールで先制した横浜FMが、1点リードして迎えた76分だった。名古屋は2人、横浜FMは1人の交代準備をしていた。そこで、横浜FMの渡辺皓太が足をつってしまう。
あと交代回数(90分の中でハーフタイムを除く3回)が1回しか残っていなかった横浜FMのハリー・キューウェル監督は、すでに準備していた畠中槙之輔(←加藤蓮)に加え、山根陸(←渡辺)も追加し2人を交代することに切り替える。
そして清水勇人主審は、まず名古屋の2人の交代を認める。ただ、ここで第四の審判は、横浜FMの交代の手続きについて、1人増えたことで、改めて確認しやり直す。
すでにこの時点で、渡辺は交代するためピッチの外に出ていた。
キューウェル監督は主審に一人ではなく二人交代する、と指でゼスチャーで伝える。
ここで第四審は、誰が誰と交代するのか、改めて交代用紙を照らし合わせ、交代ボードにそれを反映させる作業に時間をかけてしまう。渡辺がピッチを出る際にも時間を使っていたこともあったが、主審は横浜FMの交代を認めず、ここで名古屋のスローインでプレーを再開させたのだ。
つまり交代するため渡辺はピッチ外に出ていたたため、横浜FMは数的不利な状況に立たされていた。しかも交代枠の1枚はセンターバックの畠中を用意していたのだ。
DAZNの中継では、なぜだ! と怒るキューウェル監督の姿、さらにベンチ入りしているコーチ・スタッフ陣の「何でこんなことが起こるんだ!」という大きな声も聞かれる。
すると直後、横浜FMが混乱していると、このリスタートしたプレーから森島司の同点ゴールが決まってしまったのだ。
明らかに審判団の対応が拙かったと言えた。両チームで交代が計4人になり、作業の「正確性」が求められるため、名古屋の交代後、第四審は横浜FMの交代について、改めて入念にもう一度チェックすることに時間を割いた。主審はここで待ち切れず、試合を再開させてしまった。
もちろん、こうしたイレギュラーなシチュエーションでこそ、得点が決まるものとも言える。名古屋はルールに則ってゴールを決めたわけだ。
一方、横浜FMとしては、ベンチも一旦切り替えてピッチに集中したかった(まずプレーを切らすべきなど優先順位を明確にしたかった)。とはいえ、なぜだ!? という声のほうが頷けるもので、「数的不利で試合再開する」状況になると分かっていたら、渡辺はまだピッチに残っていたかもしれない。交代が認められることを前提に、これが最後の交代枠になると理解したうえで、渡辺は潔くピッチを出ていたのだ。
主審が最終的に判断を下したわけだが、審判団全員の連係不足と言えただろう。
そして試合終了間際、山中亮輔の鮮烈フリーキック弾により名古屋の逆転勝利に――。
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横浜FMにとっては、ピッチ外の出来事が勝敗につながってしまうという“アンラッキー”という言葉では片づけられない、後味の悪い痛恨の一敗を喫した。ただ全員が勝利のために遂行できていたか、自分たち自身の課題も見つめる必要はあるだろう。ただ今回の交代の手続きが、タイトルの行方にも大きな影響を及ぼすかもしれない。