【鹿島】FC東京に敗れたポポヴィッチ監督、クオリティとチャヴリッチの起用法について語る
鹿島のポポヴィッチ監督。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
「悲観する必要はありません。また失点するまではゲームをコントロールできていた試合だと捉えています」
[J1 7節] FC東京 2-0 鹿島/2024年4月7日17:00/国立競技場
J1リーグ鹿島アントラーズは4月7日、国立競技場でFC東京に0-2で敗れた。序盤はプレスがハマり敵陣で試合を進め、相手も受け身になっていたが……先制点を決められたあと、劣勢を強いられた。2連敗を喫し、いずれも後半の多くの時間など、まったく沈黙してしまう時間帯があるのは気になるところだ。
ランコ・ポポヴィッチ監督は試合後の記者会見で、「ラストパスのクオリティを上げていくところ。狙っているのは良いが、質が伴わなければ、得点につながりません」と課題を挙げた。
「ただ、キープレーヤーとなる選手がキャンプから練習できていたわけではないので、コンディションによって変わってくるところもあります。コンディションを上げながら、その質も高めていきたいです。チームの課題として残っているのは事実です」
アレクサンダル・チャヴリッチや鈴木優磨の合流が遅れたり一時離脱したりしたこと、さらに新たに加わった”ライコ”ラドミル・ミロサヴリェヴィッチ、負傷明けが近づく柴崎岳らの状態を上がってくれば……またチームのクオリティも高まるはずだと期待する。
また、チャヴリッチの右MF起用について質問を受けた指揮官は、次のように答えた。
「チャヴリッチの一番得意なのは本来今日プレーした右サイドです。川崎戦でもサイドで起用された時、ゴールを決めています。また名古屋戦でも右に流れてアシストしています。彼はキャンプ初日から合流できたわけではありません。そして彼が過ごしてきた(セルビア)リーグとJリーグではスピードの感覚が異なり、そこに順応していく必要があります。(センターのほうが脅威ではないか?)チャヴリッチが見せる一番危険なプレーは、ゴールへ向かうところです。ゴールを背負う時ではありません。それぞれ見方は違うと思います」
一方で、ボールを持つと明らかに異彩を放って期待を膨らませるチャヴリッチには、スペースへ顔を出していく、動き直しの連続の必要性も説いていた。
「チャヴリッチの強さや良さを最大限に、どのように出して行くのか。そのためには、樋口雄太や仲間隼斗が見せたような動き出しを何度もしていくことも必要だと思います。ただ、それはコンディションが上がっていけば増え、試合に使いながら上げていくところです。悲観する必要はありません。また失点するまではゲームをコントロールできていた試合だと捉えています」
中央のエリアで縦パスから打開を試みる攻撃は、ボールを奪われた瞬間に数的不利の構図になりやすく、基本的にリスクが高い。もちろん、それがハマった時、そしてカウンター対策(例えば相手の攻撃を遅らせてプレスバックを待つ、あるいはすぐ第2、第3のプレスをかけに行くなど?)も取れていれば、高い破壊力が望める。
最近奪えたのはジュビロ磐田戦での鈴木優磨のPKによる1点のみ。流れから打開できずにいる。
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ポポヴィッチ監督は「流れから取れていないのは課題です。トレーニングで精度を上げていきたい。決定的なチャンスを作れていても決め切れていないので、シュート、クロスの質や精度を上げていく必要があると感じます」と強調した。