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得点ランク2位、特筆すべき全8試合フル出場。広島を牽引するFW大橋祐紀の異彩を放つ“背中”「湘南では『17』だったので…」

大橋祐紀。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

背番号に込められた想いとは――。

 開幕からこれまで得点ランキング2位となる6ゴールを決めている、サンフレッチェ広島のFW大橋祐紀の“背中”が異彩を放っている。

 今シーズン湘南ベルマーレから完全移籍で加入した27歳のストライカーは、新
天地・広島で「77番」を背負っている。中央大学から加入した湘南ではルーキー
イヤーに「37番」を、2シーズン目の2020シーズンからは「17番」を背負ってきた

 広島ではなぜ、所属選手のなかで最も大きな背番号を選んだのか

 複数のクラブからオファーが届いた昨オフ、新しいホームスタジアム(エディオンピースウイング広島)の看板選手になってほしい、という口説き文句に胸を打たれて移籍を決めた広島で、大橋はちょっとした問題に直面した。

「まず若い背番号が埋まっていて、もう空いていなかったんですね」

 大橋がこう振り返るように、例えば湘南時代と同じ「17番」はMFエゼキエウが、ストライカーの象徴である「9番」はFWドウグラス・ヴィエイラがすでに背負
っていた。一桁では「2」が空いていたが、FWが背負うイメージがなかなか沸い
てこない。

 それまで「50」が背番号の上限だったJリーグで、さらに大きな「51」から
「99」までが解禁されて2シーズン目。交渉の席で広島側からこんな提案があっ
たと大橋は言う。

「なので、切りのいい『50番』とか、それ以上の背番号という話になったので」

 熟慮した大橋のなかで頭をもたげてきたのが、古巣・湘南に抱く感謝の思いだ
った。

「湘南で『17』だったので、背番号に『7』が入っていたら嬉しいと思って。そ
れで『71』か『77』にするかでちょっと迷いましたけど、最終的には『77』にし
ようと」

 候補になった「71」は「17」を逆にしたもので、ラッキーセブンをゾロ目にし
た「77」には「特に深い意味はなくて」と大橋は苦笑する。新天地でのフォワードとしての決意とともに成長する志を抱き、移籍を決断した大橋は“背中”を介して、愛着深い古巣へメッセージを送っていたわけだ。

 4月7日の7節は、湘南との初対戦だった。広島の新本拠地、エディオンピースウイング広島のピッチに立った大橋は、こんな思いを抱いていた。

「すごく思い入れのあるチームですし、思い入れのある試合なので、彼らの前で
ピッチに立つからには、しっかりと自分の姿を示したいと思っていました」

 自分の姿とは、イコール、ゴールに他ならない。昨シーズンの得点ランキング
で7位に入る、キャリアハイの13ゴールをマーク。広島を含めた他チームのオフ
ァーを手繰り寄せた大橋は、52分と96分にゴールネットを揺らし、2-0の勝利に
大きく貢献した。

 開幕から4勝4分けと広島は無敗で2位につける。次節では敵地に乗り込んだ一戦で先制ゴールを決め、破竹の4連勝を続けていた町田に初黒星をつける流れを引き寄せたのも大橋だった。

「全員がハードワークしている結果だと思うし、次の試合へもいい準備をしたい」

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 湘南への感謝の思いをゴールで示した大橋は、広島の攻撃陣でただ一人、開幕
から8戦すべてで先発フル出場を続ける。期待通りにゴールを量産するだけでなく、リーグ最多26本のシュートを放つなど、6年目を迎えたキャリアでさらなるブレイクを遂げている。

取材・文/藤江直人
text by Naoto FUJIE

Posted by 藤江直人

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