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【パリ五輪】久保建英の招集問題、無理は禁物!スペインメディア「意見の相違がある」

久保建英。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

すでにレアル・ソシエダは“貸し”を作っている。

[U-23アジアカップ 決勝]U-23日本代表 – U-23ウズベキスタン代表/2024年5月4日0:30(現地3日18:30)/ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム(ドーハ)

 パリ・オリンピックのアジア最終予選となるカタールU-23アジアカップの決勝、U-23日本代表が日本時間3日24時30分(4日0:30)からU-23ウズベキスタン代表と対戦する。すでに準決勝を突破した日本とウズベクはパリ五輪の切符を獲得している。

 日本のパリ行きが決まったなか、国境を越えた話題となっているのが、来月23歳になる久保建英を招集の是非についてだ。レフティはすでに2021年の東京オリンピックに出場し、フル代表の主力選手としても活躍。2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)、今年のカタール・アジアカップにも日本代表の一員として臨んでいる。

「23歳以下の選手プラス オーバーエイジ3人」でメンバー構成されるオリンピックは、FIFA主催の大会ではないため、インターナショナルマッチデーのような選手招集の強制権は発生しない。基本的にはクラブと各国FA、選手の話し合いが必要だ。

 そうしたなか久保をパリ五輪へ招集できないか、というテーマが浮上。スペインとも時差のないフランス開催であり、前回4位に終わった悔しさを晴らす――というシチュエーションではある。出場すれば間違いなく世界から注目を集める一人になる。

 スペインメディア『ムンド・デポルティーボ』は5月1日、久保のパリ五輪招集の是非を巡り「意見の相違が起きている」と題したレポートを掲載した。大岩剛監督が「久保は招集したがっている。クラブ次第」といった趣旨の発言をしたと伝え、しかし所属先のレアル・ソシエダは現段階で派遣する意向はないと見ているという。その両者の意見の齟齬を伝えている。

 そしてレアル・ソシエダの強化責任者であるロベルト・オラベ・スポーツダイレクターは「クボは2021年の東京オリンピック、今年のアジアカップに出場しています。一般的に考えれば、昨今のフットボールのスケジュールは極めて厳しく、選手の健康面についてよく管理しなければなりません」というコメントを掲載。常に”久保頼み”とさえ捉えられる日本の姿勢にやや戸惑っていることが分かる。

 アジアカップから戻った久保は、明らかにコンディションを落としている。加えて実力差は明らかだった北中米W杯3次予選でも日本との往復で疲労も蓄積されるなど、ルール上問題ないとはいえ、これまですでに日本サッカー協会(JFA)にも“貸し”を作っている。

 パリ五輪は7月24日から8月10日まで開催される。欧州トップリーグの新シーズンに突入する重要な時期と重なる。また2029年までソシエダと契約延長した久保だが、移籍条項は変更していないと見られ、この夏にメガクラブから引き抜かれる可能性も残っている。何より多忙の続く久保がしっかり休息をとることが、また大切だ。

 また、五輪本番は、そこまで欧州トップリーグでプレーする選手の価値を高めることにつながっていない現実もある(むしろ欧州で開催される各年代別のプレ大会のほうに強化担当者は集まる)。オリンピックは日の丸をつけて戦う誇りがまず求められ、やはり23歳以下という規定により、これからスターダムにのし上がるのを望む有望選手が”優先”されるレギュレーションである。

 もちろん五輪行きが決定した段階(あるいは決まる前の段階)で、大岩監督がそのように久保を欲するコメントを発するのもまた必然である。

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 しかも、スペイン語、英語、さらにフランス語も話せるという久保だけに、パリの舞台もまた似合いそうではあるが……。とはいえ、ある意味、本人の意向のみではなく、様々な立場の希望や主張があり、今回は「所属クラブ」の立場が最優先されるべきであるのは間違いなさそうだ。

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