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【ドイツ発】佐野海舟の獲得に地元で批判記事、クラブが声明「迎え入れる決定に矛盾するような情報は一切得ていない」

佐野海舟。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

誹謗中傷への法的措置も示唆。DFBカップでデビュー、延長120分フル出場で3-1の勝利に貢献する。

 ドイツ・ブンデスリーガの1.FSVマインツ05は8月16日、クラブ公式サイトで、匿名のオンラインと『Qブロック』で性加害事件で逮捕されたものの不起訴となったMF佐野海舟(Kaishu SANO)の加入について問題視する記事が掲載された件で、声明を発表した。

 マインツの取締役会は次のように述べている。

――◇――◇――◇――

 佐野海舟選手に対する捜査は、東京の検察庁によって取り下げられました。選手に対する疑惑に関連して、当局によるこの法的判断は私たちにとって決定的であり重要です。

 もちろん選手に対する捜査は私たちを動揺させました。雇用主である私たちにとって、スタッフが法律を尊重するだけでなく、私たちが公に支持し、多くの社会的プロジェクトでも実践している私たちの基準や価値観に沿った行動をとることが不可欠だ。

 私たちはこの出来事について協会内で集中的に話し合い、可能な限りすぐ佐野海舟との個人的な対話も行ってきました。私たちのチームに彼を迎え入れるという決定に矛盾するような情報は一切得ていない。

 雇用者として、私たちはいかなる調査にもアクセスできません。これらは法治国家の唯一の責任である。しかし私たちにはスタッフの個人的権利とプライバシーを保護する義務と責任がある。

 クラブ内の議論について公にコメントすることはありません。私たちは誹謗中傷や根拠のない申し立てに断固として反対します。必要であれば、経営委員会として私たちに影響を及ぼす虚偽の公的非難に対して法的措置をとります。

――◇――◇――◇――

 そのようにマインツは佐野を尊重する姿勢を強調している。

 佐野は8月16日のDFBカップ1回戦SVヴェーエン戦でボランチとして延長まで120分フル出場し、3-1の勝利に貢献。まずまずの公式戦デビューを飾った。

『Q-ブロック』の記事では佐野について、「訴訟手続きの終了は無罪と同一視できない。この思い込みが致命的な間違いであり、性暴力の被害者に対する侮辱である。佐野氏が日本での法的影響をもはや恐れる必要がないという事実は、(いかなる形であれ)彼の推定有罪を軽減するものではない」と主張。マインツに対して、「道義的かつ社会的責任を果たすよう求めたい。少なくとも協会から一般の人々への透明性のあるコミュニケーションが必要だ」と説明を求めていた。

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 クラブの声明発表を受けて、果たして事態は沈静化に向かうのか。マインツはこのあと8月24日、ブンデスリーガ開幕のウニオン・ベルリン戦を迎える。

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