ボーフム三好康児が初めて挑んだ首位バイエルン「これ以上悪くならないから全身全霊をかけてやろうと。ただ簡単にはいきませんでした」
ボーフムの三好康児。 (Photo by Daniel Kopatsch/Getty Images)
0-5とされたあと約20分間プレー。相手の交代カードは、ザネ、ミュラー、ゴレツカとスター級だったなか…。
[ブンデスリーガ 8節]ボーフム 0-5 バイエルン/2024年10月27日/Vonoviaルールスタディオン
ドイツ・ブンデスリーガ8節、VfLボーフムはバイエルン・ミュンヘンに0-5で敗れて、今季初勝利と最下位脱出とはいかなかった。ボーフムの三好康児は72分から途中出場し、首位に立つスーパースター軍団と初めて対峙。惜しいチャンスを作り出したものの、得点には至らなかった。
三好は試合後、この現実をしっかり受け止めていた。
「力のあるチームでした。自分たちは厳しい状況に置かれ、監督も交代し、チームとしてできることを全て出し切ろうと。これ以上悪くはならないから全身全霊をかけてやろうと試合に入りました。ただ、そんな簡単にはいきませんでした」
三好は3-4-3の右のウイングに入った。攻撃時にはインサイドにポジションを取り、センターフォワードや味方と絡んでいくイメージを持っていた。
「自分が出たタイミングで0-5になっていたので、まずは1点ずつ返していこうと。やはり攻撃の部分で見せたいという気持ちを持って入りました」
試合終盤には三好がゴールライン際のハーフスペース(ポケット)に入り込んで折り返した。あとは味方が合わせれば――という惜しいシーンを作り出したが、ボールはそのまま外に流れてしまった。
「あそこまで自分のイメージ通り抜け出せました。折り返しのところは合わせてほしかったですが……」
1分7敗といまだ未勝利にあるボーフムが、この長いトンネルを脱するためには――。三好にはこれまでのキャリアが示すように、直接ゴールを奪い切っていくことが求められるだろう。そのためにも、さらなる進歩の必要性を感じていた。
「やるからには自分も点を取るか、アシストするか。形として結果を残したかったですが、まだまだミスもありました。足りない部分は多かったと思います」
バイエルンは交代カードで、トーマス・ミュラー、レロイ・ザネ、レオン・ゴレツカらスター級を惜しみなく投入してきた。ドイツが誇るメガクラブと初めて対戦した27歳のアタッカーは、個と組織の力がいずれも一つ抜けたレベルだったと体感した。
「まだドイツに来て5試合ほどですが、どのクラブよりもボールを持ち、距離感も良く、個々の質も高くてスピードもありました。ボールへなかなかプレスに行けないなと。良いボールの持ち方をされて、守備のところもハメることが難しかったです。守備で後手に回り、チーム全体として、前へ出て行く力を出すことが難しい展開になりました」
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ベルギーのロイヤル・アントワープFC、イングランド・チャンピオンシップ(2部)のバーミンガム・シティFCを経て今季加入した三好が、ボーフムを救う――。その覚悟をゴールを奪い切るひと振りに込めたい。
「点を取らないと勝てないし、自分が試合に出ている意味はそこだと思っています。今日は0-5で敗れましたが、ゼロ点で終えているようでは、どの試合でも自分が出ている意味はないと思っています。自分が得点やアシストを決めるだけでなく、それにつながるプレー、チームとして勝つためのプレーを攻撃面で後押しできればと思います」