FIFAが2030年W杯、64チームに拡大検討。100周年大会は6か国共催
サッカー日本代表。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
ウルグアイ協会の会長が提案。
FIFA(国際サッカー連盟)の理事会が3月5日に行われ、そのなかでワールドカップ(W杯)の100周年記念大会となる2030年大会に限り、出場枠を「64か国」に拡大するという提案があった。
2030年W杯の開催地はすでに決定している。モロッコ・スペイン・ポルトガルの3か国がメイン会場で、グルプステージの第1戦を第1回大会が開催された南米大陸のウルグアイで実施し、第2・第3戦をパラグアイ、アルゼンチンで行うことになっている。
現時点では2026年の北中米W杯に続いて、48代表が計20都市で行われる予定である。
しかし『ニューヨーク・タイムス』は3月6日、今回の理事会出席者4人からの話として、ビデオ会議の終盤の『その他』で、ウルグアイサッカー協会のイグナシオ・アロンソ会長がスピーチを実施。そこで100周年大会に限り、出場チームを64に増やすことが提案されたそうだ。
ジャンニ・インファンティーノ会長はW杯の拡大を就任時の公約にも掲げている。そして来年開催される北中米W杯は、これまでの32か国から48か国に拡大されて行われることになった。
また、2030年大会は「6か国」共催になるため、ホスト国が全チーム出場することになれば、それだけで6枠が埋まることになる。とりわけ特に南米予選が混迷を極めると言われてきた。
64か国開催になれば、そのあたりの問題はかなり解消される。
とはいえ、世界一を決める、選ばれしアスリートのみが立てる舞台であるW杯だが、FIFAの211の加盟国・地域のうち約3分の1が出場できるとなれば、真剣勝負以上にイベント色が強まるだろう。すでに6か国開催の時点で、それはW杯とは呼べないという批判の声も上がっていた。
同メディアも、もしもその拡大案が検討されれば、批判の声が強まるだろうとも指摘している。
ただインファンティーノ会長は211の加盟国・地域への収益の分配を進め、サッカーの促進にも大きく貢献していると言われる。現在はニューヨークに主に住んでいて、ドナルド・トランプ米国大統領とも親しくしているという点も興味深い。
実現した場合、サッカー日本代表のアジア予選での戦いは、果たしてどのように変化するのか。
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2030年W杯の64か国開催――。決してあり得ない話ではなさそうだ。