JFL得点ランク1位エフライン・リンタロウが鈴鹿で覚醒した理由とは?
JFL得点ランク1位に立つ鈴鹿のFWエフライン・リンタロウ。(C)鈴木アンリミテッドFC
JFL以上では史上初の女性指揮官ミラ監督の下、レフティがゴールを量産。
今季JFLに初昇格した鈴鹿アンリミテッドFCは、同リーグやJリーグで史上初となる女
性指揮官のミラグロス・マルティネス監督のもと、残留争いに巻き込まれながらも独自の
魅力的な攻撃的サッカーを繰り広げている。
そんな鈴鹿のエースFWエフライン・リンタロウは目下、JFLの得点ランキングトップに
立っている。得点王を狙うエースに、自身のキャリアやチームの戦いぶりについて語って
もらった。
――今季すでに15ゴールを挙げていますが、印象に残っているゴールは?
「何と言ってもホームでの15節・ソニー仙台FC戦(〇3-2)の決勝点です。その前のホ
ーム戦(13節)のFC大阪戦(△2-2)で終了間際に同点にされていました。その試合では
またしてもアディショナルタイムに追いつかれ厳しい状況でした。正直、足も攣っていて
肉体的にキツイ中、ハーフウェイライン付近で相手守備陣の裏に抜け出し、『絶対にコレ
で決めて勝つ』という強い気持ちでボールを運んで放ったシュートでした。決まって本当
に良かったです!」
――そのソニー仙台戦の決勝点もそうですが、カウンターからのゴールが多いですね。サ
イドからのクロス、こぼれ球への反応、コンビネーションなど、ゴールのパターンが豊富
なのはFWとしての武器になりますね。
「確かにウチの得点は意外とカウンターからが多いかもしれません。自分のFWとしての
武器は、足下の技術や長身を活かしたポストプレー、競り合いの強さ、左足でのボールタ
ッチです」
―――ただ、意地悪な質問をすると、15得点の内訳は左足10点(PK2本)、右足2点、ヘディング3点です。少し左足に偏っています。
「左利きなので(笑)。ヘディングはロングボールの競り合いではよく競り勝っているの
で、得意にはしています。得点という数字に出ていないだけだと思います」
―――昨季までは盟友FW藤沢ネット選手との2トップでしたが、今季は1トップになりました。変化は?
「1トップでも2トップでも、僕自身はゴールが奪えています。当然、頻繁にコンビネーシ
ョンをとる選手のタイプや枚数は変わりますが、『得点をとるのがFWの仕事』であるこ
とには何も変わりません」
―――リンタロウ選手がゴールした時の、「♪~リンタロウ(ヘイ)、リンタロウ(ヘイ)、
エフライン・リンタロウ~!」というチャントは凄く軽快で爽快感がありますね!
「僕も凄く気に入っています。原曲(TRFの『EZ DO DANCE』)は知らなかったんです
けどね(笑)。DFキローラン木鈴選手の「♪~コリンコリンコリン、キローラン木鈴
」(『チョコボール』のCM)もインパクトがありますね。キックオフ1時間前に始まる
ラジオ体操など、アンリミテッドのサポーターは独創的でセンスがあると思います!」
―――実はここまで挙げた15ゴール中11ゴールをホームで記録しています。偶然ですか?
「その記録は知らなかったのですが、お気に入りのチャントなどサポーターの応援のおか
げでチカラをもらっているのだと思います。感謝したいです」
―――リンタロウ選手はこれまでブラブリッツ秋田、FC琉球、ラインメール青森とJFLで
計3シーズンを経験しています。74試合出場9得点という結果を残してきましたが、今季
はすでに15得点。点取り屋に変貌を遂げたキッカケはありますか?
「自分のサッカーが変わったからです。以前は監督の言うことを聞かなかったわけではな
いのですが、ドリブル突破などの自分のプレーに対する拘りが強かったと思います。それ
もあって毎年のようにチームを移っていました。
それが青森へ行った頃に、『このままじゃサッカーを続けられないかもしれない』、と
危機を感じ、変わらなきゃいけないと思いました。
具体的には、シンプルにプレーするようになりました。青森にいた2016年はJFLで3ゴー
ルに終わったのですが、その年はシャドーの選手が得点を量産することができました。ポ
ストプレーやアシストでチームに貢献できたシーズンだったと思います。
そして、鈴鹿に来てからは、それにプラスして『FWとしての仕事』という意味でゴールに拘るようになりました。もちろん、アシストや守備、チームプレーをしっかりとこなしたうえでの話です。でも、FWとしてエゴイスティックな部分も必要です。だから、『チームのためにゴールを決めて勝利に貢献する』、これが今の自分のサッカーです」