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「違う人ぐらい変わった」原口元気が浦和時代からの思考の変遷を語る

メキシコ代表戦に向けて練習する日本代表の原口元気。(C)JFA/写真:日本サッカー協会

しかし一方、「乗りみたいなのは、まだ若い」とも強調。

[国際親善試合] 日本代表 – メキシコ代表/2020年11月17日21:00(日本時間18日5:00)/グラーツ・リーベナウ・シュターディオン(オーストリア)

 日本代表のMF原口元気(ハノーファー96)が11月15日、オンラインによる取材に応じて、メキシコ戦に向けた抱負とともに様々な質問に答えた。そのなかで過去からの変化をテーマに、代表の8番は興味深い話をしてくれた。

 先日のパナマ代表戦は後半途中から左ウイングバックに投入され、直後に試合が1-0に動き、そして無失点のまま締めた。

 10月シリーズに続いて日本代表の3-4-2-1では、ウイングバック起用が続く。浦和レッズ時代は同システムではシャドーを主戦場に、センターフォワードもこなしていた。得点に直結するポジションである(ウイングバックも練習ではしていた)。その起用法について、どのように受け止めているのか?

「いろんなポジションをできるところが僕の強みで、それは代表でも、チームでも言えます。どこで出ても、ある程度のパフォーマンスを発揮できる自信はありますが、合格点ではなく100点を取りにいくことが、今は課題だと思っています」

 ある程度ではなく「100点」を取るために。29歳はユーティリティとしての高い次元を目指していると言う。

 ちなみに練習などで、周りの選手に積極的に声を掛けているようだが……と振られると、それは「深い理由はない」と笑った。

「僕がただ単に楽しくやっているだけです。若い選手とも空いている時間にリフティングをしたりよくします。乗りみたいのは僕まだ若いので(笑)。空いている時間に落ち着いて誰かとディスカッションするよりも、リフティングするほうが楽しいから、若い選手と一緒にいることが多くなっています。別にそんなに深い理由はないです」

 若い選手が気持ちよくプレーできるように配慮している――というような気遣い的なことは「正直、そこまでは考えていないです」。

 また、リーグ戦の通算出場数が、J1リーグ167試合に対し、ブンデスリーガ169試合と、ドイツのほうが上回った。これからはプロとして、ドイツのほうがキャリアとしても長くなっていく。

 日本にいた頃からの思考の変化。浦和レッズ時代と変わらない面もあるのか、あるいはすべて変わったのか? その問いに、原口は少し考えたあと語った。

「違う人になっている、ぐらいに感じています。自分のなかでは。日本にいた頃もそうでした。ドイツに渡って1、2年目、さらにそこから1年ごとにどんどん変化してきています。プロになった最初と今では、大きな違いがあり、別の人と言っていいぐらいの変化を自分の中で感じてプレーしています。自分の思考も変わっていると感じます」

 浦和に在籍していたヤンチャだった10代の頃から「能力」に対する考えとともに、追求するプレーも変化していったと話す。

「昔だったら純粋な『サイドアタッカー』としてのイメージを持っていたなか、サイドバックやボランチに入り、今はチームでトップ下でも多くプレーしています。自分にこんな多才な能力が備わるとは思っていなかったので、そこが一番の大きな違いに挙げられます。『ストロングな部分で勝負するんだ』と思っていた浦和時代に比べると、自分がどうやったら生き残っていけるかのかなと考えるにつれて、どんどん変化して、いろんな能力が付いてきたことが一番の変化で、大きなポイントだと思っています」

 一体、自分に求められているプレーや役割は何か。それを追求しながら、原口元気はもっと大人のプレーヤーになっていく。そのステップとして「ワールドカップ(W杯)でベスト16を超えていくための一つの指標になる」と、メキシコ戦を楽しみにしていた。

浦和からドイツへ。思考の変遷について語った原口元気。協力:日本サッカー協会

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[文:サカノワ編集グループ]