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日本代表監督に意欲を示すビラス・ボアス、今夏のマルセイユ退団が濃厚に

ビラス・ボアス氏。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

契約は2021年6月まで。「論理的に、これまでの結果を考えれば――」。

 日本代表DF長友佑都、酒井宏樹が所属しているフランス1部リーグ(リーグ・アン)のオリンピック・マルセイユを率いるビラス・ボアス監督が、2021年6月の契約満了に伴い退団することが濃厚になった。日本代表やJリーグで指揮を執ることに意欲を示していた43歳のポルトガル人指揮官のアジア復帰、日本での挑戦はあるのか!? 

 ビラス・ボアス監督はスタッド・レンヌ戦に向けた記者会見で、自身のシーズン後の進退について言及した。

「今は分かりません。フロントの判断にかかっています。クラブには良いコネクションがあり、シーズン後、多くの優秀なコーチがいます。その(契約に関する)話し合いが今ではないことは分かっています」

 新型コロナウイルスの影響を受けてシーズン途中で打ち切りになった昨季は2位でフィニッシュ。UEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)の出場権も得た。しかし今季はこれまで首位のオリンピック・リヨンから10ポイント差の5位に甘んじている。CLもグループステージで不名誉な連敗記録「13」を作り、敗退が決まっている。

 そのうえで、指揮官は「論理的に、これまでの結果を考えれば、クラブを去ることになるでしょう」と語る。2019年から2シーズンの契約で満了になるのが、現在の成績から見れば、契約が延長されなければ『妥当』だと受け止めているのだ。

 若き指揮官はこれまで、FCポルト、チェルシーFC、トッテナム・ホットスパーFC、ゼニト・サンクトペテルブルク、上海上港、そしてマルセイユを率いてきた。そして将来、日本代表監督を率いたいと意欲を示していた。

 昨年10月、フランスメディアのインタビューに応じた際、「私はいつかワールドカップでやりたいとずっと思ってきました。日本に魅力を感じています。それは私が望んでいるポジションです。一時期、その選考にも近づきました」「次のステップを具体的に挙げるのは難しいが、ワールドカップでチームを率いたい」と語っていた。すでに契約満了を見据えての発言でもあった。

 日本へのラブコール――。とはいえ、実際のオファーだったのかは定かではないが、何かしらの接点があったことを口外してしまったことは、ややマイナスのイメージでもある。また強力な戦力を従えた上海上港時代、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)ではJリーグ勢に苦杯を舐めてきた。欧州ビッグクラブを率いていた手腕は確かだが、日本では“強い”イメージはそこまでない。

 もちろん、Jリーグのクラブや日本サッカー協会などにコンセプトのビジョンがあり、それに沿った招へいであれば歓迎されるだろう。もちろん今後の成績によってはマルセイユ残留の線も出てくるはず。そして欧州などからの打診もあるに違いない。新型コロナウイルスの影響も関係してくるが、本当に日本行きはあるのか!? 

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[文:サカノワ編集グループ]

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