【東アジアE-1】なでしこJ、そこまで悲観的にならなくていいのでは?
高倉監督のもと、日本での初タイトル獲得を狙ったものの、なでしこジャパンは準優勝に終わった。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
北朝鮮戦の前半は修正ができていて、勝った2試合よりも内容が良かった。
なでしこジャパンが平均年齢21歳の北朝鮮に0-2で敗れ、東アジアE-1選手権は2位に終わった。今大会2試合でキャプテンを務めた宇津木瑠美は「これが現実。しっかり受け止めなければ」と語り、岩渕真奈は「何も残せなかった」と肩を落とした。そして高倉麻子監督も「中途半端なチームになっている」と、特色を発揮できなかったことを嘆いた。
確かにパワーや体力で完全に圧倒され、実力の差を見せつけられた。しかし、そこまで落胆する内容だっただろうか。韓国戦、中国戦から徐々に修正できていた部分もあった。
北朝鮮戦の前半はボールポゼッションで上回り、サイドや中央を突いてゴール前まで何度もボールを運んだ。前線の岩渕にとっては「シュートを打てず、ボールをただ回しているだけだった」という状況だが、最後尾の鮫島彩は「思っていた以上に、ボールをつなげていた」と、異なる見解を示していた。フィジカルの強い北朝鮮DFに、テクニックが武器である岩渕やワンタッチシュートが得意の田中美南をはじめなでしこのアタッカー陣が単独で真っ向勝負を挑むようでは、明らかに分が悪かった。また、韓国戦の負傷により離脱した長谷川唯がいれば、そういった攻撃の変化を付けられるタレントだけに、また違った展開になっていたかもしれない。
ただ鮫島の言うように、これまで対戦した韓国と中国よりもレベルの高い北朝鮮を相手に、前半は今大会もっとも質の高い「つなぎ」を見せて、基本的には日本が試合を支配していた。ボール奪取や散らしのパスなど阪口夢穂のプレーも光っていた。3-2で勝ったとはいえバタバタしていた韓国戦よりも、明らかに高い緊張感を持続し、全員が同じ狙いを共有しながら戦えていた。
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