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【東アジアE-1】なでしこJ、そこまで悲観的にならなくていいのでは?

田中(11番)は3試合連続ゴールならず。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

残念だった先制された直後の落胆ぶり。

 もちろん意図は共有できていても、北朝鮮DFのプレスをかいくぐるまでの組織力はなかったという現実を突き付けられた。前線までボールが回っても、崩し切る枚数が足りていない。強国相手に確実に訪れるシチュエーションであるが、過去であれば大儀見優季のラインブレイクや丸山桂里奈のドリブル突破といった個の力で揺さぶりをかけられた。

 高倉監督のもとでは、一段と連係を重視した崩しを狙うのか、それともやはり前線に個の圧倒的な力を求めるのか。そのあたりの整理は必要だと感じた。

 しかし、もっとも残念でならなかったのが、北朝鮮に先制点を許した時だった。全員がうなだれ、気持ちの整理がつかないまま、その後のプレーに移っていたように見えた。

確かにダメージの大きな一撃だった。この日高いパフォーマンスを発揮していたチームの心臓である阪口夢穂が、ゴール前で長身FWキム・ユンミのシュートコースを切っていたはずが……左足で強烈なシュートを突き刺された。

 すると、戦意を喪失してしまったような選手も見受けられた。もっとも与えてはいけない先制点を与えてしまった。それでも0-1のスコアは、あり得るシチュエーションだったはず。先制点を与えたのは65分で、まだ残り25分ある。

 スコアが動けば、心理的な駆け引きも生まれる。北朝鮮はこのままリードを保つか、引き分けでも優勝できるのだから、基本的に守備的にシフトする。しかも全員が若いのだから、そのあたりの微妙な心理的な変化を突ければ、打開策は見出せたのではないか。ところが、日本はベンチを含めたチーム全体がバラバラ(どのように反撃するのかが見えなかった)になってしまい、むしろ北朝鮮に勢いづかせ、混乱のなか2点目を奪われた。

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