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イエローカードを主審が持ち忘れる。なでしこリーグでハプニング

(C)SAKANOWA

C大阪堺対浦和の73分、猶本光が珍しく怒った、松原優菜のタックルに対して――。

[なでしこL 12節]C大阪堺 0-0浦和/202年9月26日/J-GREEN堺S1メインフィールド

 なでしこリーグ1部、セレッソ大阪堺対浦和レッズレディースの上位対決は、浦和が優勢に試合を進めたもののC大阪堺も粘り強く対応し、互いに譲らずスコアレスドローに終わった。浦和は首位に立つものの、2位の日テレ・東京ヴェルディベレーザとの勝点差が6に縮まった。C大阪堺は暫定3位。

 この試合の後半、思わぬハプニングが起きた。

 73分、浦和が日本女子代表(なでしこジャパン)のGK池田咲紀子からの鋭い縦パスが、前線から降りてきた猶本光に渡る。すると、その後方から松原優菜のタックルを受けて猶本が倒れる。

 猶本が珍しく怒りを露にする。そして緒方実央主審はすぐさま、二人のところに駆け寄り、松原に注意をしてイエローカードを提示しようとする。

 しかし、レフェリーシャツとパンツのあらゆるポケットを何度も触るもののカードが見当たらない。どこかに忘れたのか、落としてしまったのか。

 主審はすぐさま第4の審判のもとに行って、カードケース(イエローカードとレッドカードとコインなどがセットになっている)を受け取った。

 なでしこリーグは現在、1部全試合を「Youtube」の「なでしこリーグチャンネル」で配信している。この試合の模様のフルバージョンもアップされていて、ファウルの場面では「カードだろ!!」という観客の声も飛んでいる。

 また、主審がカードがないことに気付いて第4の審判のもとに行く時には、スタンドから一瞬笑い声が漏れたあと、温かい拍手が送られていた。

 改めて主審から松原にイエローカードが提示されると、選手たちも手を叩いて再び士気を高め、試合は再開されている。

 主審も忘れ物をする。デジタル化に突き進む令和の新たな格言のようだ。

 サッカーは予想外に満ちている競技だが、まさかの出来事ではある。やはり誰もがちょっとしたミスはするもので、この日のスタジアムの雰囲気のように寛容でありたいものだ。

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[文:サカノワ編集グループ]

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