【日テレ3-2浦和L】注目の「女王」「首位」対決、宮澤ひなた2点、長谷川唯、猶本光も輝き放つ
長谷川唯がゴールを決め歓喜の輪を作る日テレの選手たち。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
高橋はなのゴールで1点差に詰め寄ったが――。残り5試合、勝点「6」差。
[なでしこ 14節] 日テレ 3-2 浦和L/2020年10月11日/AGFフィールド
注目の上位対決、女王の日テレ・東京ヴェルディベレーザが3-2で首位の浦和レッズレディースに打ち勝ち、勝点差を「6」に縮めた。
首位攻防戦、日テレが敗れれば浦和が一気にリーグ優勝へ近づく。第1戦は浦和がホームで1-0の勝利を掴んでいた。なでしこジャパン(日本女子代表)のタレントも揃い、互いの長所がぶつかり合う好ゲームとなった。
開始3分、長谷川唯が丁寧にコースを狙うミドルシュートを突き刺し、日テレが先制する。
ただ今季の浦和はここで流れを渡さない。16分、高い位置からプレスを掛けてボールを奪った猶本光がそのままお返しとばかりにミドルレンジから決めて同点に追い付く。
このまま浦和ペースに持ち込まれるかと思われたが、28分、ベレーザらしい連係から日テレが勝ち越す。小林里歌子、中里優、清水梨紗とつなぎ、そのクロスに対し、ファーサイドに走り込んだ宮澤ひなたが「いいボールだったので押し込むだけでした」と、ギリギリのところで右足を伸ばしボレーで押し込む。一歩走り出しが遅れていれば間に合っていなかった、無駄のない実に日テレらしい崩しだった。
すると55分、宮澤がさらに追加点を奪い、日テレがリードを2点に広げる。その後、セットプレーから高橋はなに1点を返されたものの、しっかり耐えて、3-2での逃げ切りに成功した。
5試合ぶりのスタメン起用となった宮澤は今季複数のポジションで起用されてきた。
「状況に応じたプレーを磨いていかないと……。1年目は私がどんなプレーをするか相手も分からないのでガンガン行けましたが、2年目になるとゴールもタテへの突破も減りました。3年目は、1年目を取り戻す気持ちでやります」
そう語っていたベレーザの「15番」はこの大一番、溜まりに溜まったエネルギーを一気に解き放った。
「今日勝たないと優勝が見えなくなる厳しい状況で、試合に出ている選手も、出ていない選手もみんなで勝ち取れた勝利でした」
宮澤は試合後、そのように安心したように語った。
この勝利で浦和との勝点差は「6」に縮まった。残りは5試合。浦和優位には変わりないが、2勝差――背中は見えた。
一方、惜敗したとはいえ浦和のサッカーの強度は変わらない。試合をひっくり返す引き金になりそうな場面は数多く作り出していた。プレーには自信が感じられた。
ここから真の強さが問われる。それを発揮できたチームが、来年のWEリーグ開幕を控えた2020年、意味と価値あるなでしこリーグの頂点に立つことができる。
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[取材・文・写真:早草紀子]